【解説】生成ＡＩの活用能力規定へ

（解説 2023-05-25付）

　総務省は、ＩＣＴ活用のためのリテラシー向上に関するロードマップ案をまとめた。情報の取得管理や安全確保などデジタル社会に必要な能力を示すもので、生成ＡＩ活用のため重点的に身に付けるべき能力も盛り込む。６月９日までパブリックコメントを実施しており、本年度中に決定する。

　総務省は自らの意思で自律的にデジタル社会に関わる「デジタル・シティズンシップ」の考えに基づき、ワーキンググループを設置してＩＣＴ活用リテラシー向上の方策について検討している。

　デジタル社会に必要な能力として「データ、情報、デジタルコンテンツの検索・評価・管理」「デジタル社会の安全確保」「他者や社会とのかかわり」「デジタルコンテンツの作成・編集」「デジタルツールの選択・課題解決」の５つの能力を定め、各能力でレベル１（人に助けてもらえばできる）からレベル４（デジタル空間の公共性を踏まえ生活の中で使いこなす）までの４段階を設定。世代共通の能力とともに、青少年、子育て層、高齢層の３層別に到達すべき習熟度を示す。

　生成ＡＩの活用に当たり、取り込むデータや情報による回答の偏在性や倫理的な判断ができないなどの特徴や課題を踏まえ、ＡＩによる指導・評価・認定について批判的に捉える視点や回答の真偽を最終的に判断する能力などを盛り込む。

　意見公募やＷＧでの議論を経て５年度中に必要な能力の具体化・精緻化・習熟度に関する指標を策定するとともに、必要な能力を育てるコンテンツの開発・活用に取り組む。

　６年度から指導者となる人材の育成・確保に関する枠組みやコーディネーターの在り方を検討するほか、関係省庁や関係機関との連携・協働体制を構築して取組を進める方針だ。

(解説 2023-05-25付)