【解説】半導体産業 産官学で人材育成
(解説 2023-05-30付)

 次世代半導体開発・製造のRapidus㈱(東京)の千歳進出を受けて、道内教育機関で半導体産業に関わる人材育成の動きが進んでいる。道は、6月2日に「北海道半導体人材育成等推進協議会(仮称)」を設立する。道内の教育機関や企業、行政など32機関が参加し、産官学が連携して人材確保や関連産業の活性化について議論する。

 ラピダスは、わが国の半導体産業の復活を目指して昨年8月に設立。AIや自動運転に使う回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の微細な次世代半導体を、9年度をめどに量産化することを目指している。関連企業も含めると、従業員は数千人規模になる見通しで、人材確保が課題となっている。

 協議会には、北海道大学や公立千歳科学技術大学、北海道科学大学など6大学と苫小牧高専など4高専を含む12の教育機関が参加する。企業はラピダスのほか、千歳に生産拠点を構えるミツミ電機(株)など10社が参画。経済産業省や文部科学省、道、千歳市も加わる。半導体企業の研究開発や関連企業で働く人材をどう育成するかを議論し、人材供給の仕組みを整える。

 主な取組として、半導体産業が就職先の選択肢となるよう、企業が大学や高専で出前講座を行うことや、インターンシップ、工場見学を想定。高専の中からモデル校を指定し、人材育成カリキュラムを構築することも視野に入れる。また、ものづくりに対する関心を持ってもらうために小・中、高校生に向けて半導体産業の魅力を発信する予定で「将来、理系を志す子どもたちを増やせれば」(経産局製造・情報産業課)と期待する。

 2日の初会合では、ラピダスの小池淳義社長が、次世代半導体の開発・製造に求める人物像について説明する。

(解説 2023-05-30付)

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