【解説】高校生のネットリテラシー

（解説 2023-06-19付）

　総務省は高校生対象の青少年インターネット・リテラシー指標等に係る４年度調査結果を公表した。平均正答率は前年度から０・５ポイント上昇し７１・１％。スマートフォンの保有率は９８・７％となった。

　指標は、インターネット上の危険等への対応能力などを把握するために総務省が平成２４年度に開発。昨年１１月～ことし１月、全国の高校１００校の生徒１万５３３人から回答を得た。

　平均正答率は男子が６９・６％、女子が７２・８％と女子の方が高い。各能力の数値をみるとプライバシーリスク（個人情報の流出など）が１・５ポイント上昇し６６・２％、セキュリティリスク（ＩＤ、パスワード、ウイルスなど）が１・７ポイント上昇し７０・２％、有害情報リスク（不適切投稿、炎上など）が１・３ポイント上昇し６８・４％と改善した。

　一方で不適切接触リスク（匿名ＳＮＳ、迷惑メール、ＳＮＳによるいじめなど）は０・７ポイント下降し７７・６％、違法情報リスク（著作権、肖像権、出会い系サイトなど）は０・８ポイント下降し７５・１％と微減。フィッシング詐欺やネット売買などの「不適正取引リスク」は６０・３％と依然として低い。

　インターネットの利用開始時期は中学１年生が２７・１％と最も高い。使用方法を教えてもらった人は「保護者」が４８・３％、「誰にも教わらなかった」が２１・０％。

　１日当たりの平均利用時間は「２～３時間未満」が２４・６％、「３～４時間未満」が２１・３％と多い。休日は「６時間以上」が３２・０％と最多。全体の８割が３時間以上スマートフォンを使用している。

　インターネットの危険性を授業で教えてもらった高校生は７３・８％。内容は「ネットいじめ」の９２・７％が最多で「個人情報・プライバシー」「著作権・肖像権」と続いた。

(解説 2023-06-19付)