【解説】次期教育振興基本計画が決定
(解説 2023-06-20付)

 政府は16日、次期教育振興基本計画を閣議決定した。コンセプトは「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」「日本社会に根差したウェルビーイング」の2点。骨太の方針やこども未来戦略方針などの内容を反映させ、今後5年間の教育の方向性を明記した。

 計画は教育基本法で示す理念の実現とわが国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図る教育の最上位計画。期間は5~9年度の5年間。

 基本的方針として「グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成」「全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現」「地域や家庭で共に学び合う社会の実現に向けた教育の推進」「教育DXの推進」「計画の実効性確保の基盤整備・対話」の5方針、教育政策として「確かな学力の育成」「豊かな心の育成」など16項目を整理し、基本施策や指標を示した。

 骨太の方針をもとに教員の処遇改善に向けた制度設計や次期GIGAスクール構想の方向性を明記。自殺対策では1人1台端末の活用による自殺リスクの把握、専門家で構成する「若者の自殺対策危機対応チーム」の全国設置など文部科学省の「COCOLOプラン」やこども家庭庁の「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を反映させた。

 こども未来戦略方針の内容に基づき児童手当の所得制限の撤廃、支給期間の高校生年代までの延長、大学院の授業料の後払い制度の試行も盛り込んだ。

 各施策を推進する財源を確保するため「教育への効果的投資」についても記載。幼児教育・保育の無償化、高校修学支援金などの教育費負担軽減の推進と教育の質向上に向け、OECDなど諸外国における状況を参考に必要な予算の財源措置を図るとした。

(解説 2023-06-20付)

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