【解説】学習eポータル導入率1・5倍に
(解説 2023-06-27付)

 NECが23日に公表した全国の教育委員会におけるデジタルツール導入状況に関する実態調査(4年9月~5年3月)によると、学習eポータルの導入率は約85%と1年間で約1・5倍に上昇していることが分かった。オンライン授業支援ツールの活用率は約80%で、新型コロナウイルス感染症の影響で利用が拡大している。

 学習eポータルはデジタル教科書などの学習リソースをつなぐ窓口・連携のハブ機能やメクビットとの接続機能を有する。現在、㈱内田洋行のL―Gate、NECのOPE、NTTのまなびポケットなど9事業者がシステムを提供。5年度の全国学力・学習状況調査の英語「話すこと」調査のオンライン化に必要だったことから導入が加速化している。

 無償・有償で様々なコンテンツを提供しており、タイピングやプログラミングなどの各種教材のほか、日々の学習時間や心の変化を記録・可視化するダッシュボード機能、AI英会話サービス、外国人児童生徒・保護者とのコミュニケーション支援ツールを有するものもある。

 NECの調査は児童生徒5000人以上の自治体からランダムに抽出した799自治体を対象に電話で実施。学習eポータルの導入率(実証用含む)は約85%で前年度から1・5倍に上昇した。学習コンテンツ(デジタル教科書を除く)の導入率も約85%。オンライン授業支援ツール(ライブ配信、録画、共同編集、学習履歴管理など)の導入率は76%だった。

 文部科学省の調査によると、全国の自治体における学習支援ソフトウエアの導入率は96%で、うち73%が有償ソフトウエアを利用している。デジタルドリルの導入率は7割、デジタルコンテンツの利用率は約4割となっている。

(解説 2023-06-27付)

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