【解説】高校生の就業体験拡充を
(解説 2023-07-03付)

 日本の高校生は諸外国と比べ、進路に関わる活動への関心が高く、学習も行われているが、実際に行っている体験が少ないことが国立青少年教育振興機構が実施した国際比較調査で明らかになった。

 調査は、高校生の職業観や将来の進路希望、進路に向けての準備などの意識や実態を把握するもの。米国、中国、韓国でも同時に実施し、諸外国と比較することで日本の高校生の特徴や課題を分析し、青少年教育施策立案のための基礎資料とすることもねらった。

 調査結果をみると「職業の種類」や「内容、進路選択の方法」を学習したことがあると回答した割合は、いずれも8割を超え、米中韓を大きく上回っている。

 また「職場の見学」「就業体験」に関心があると回答した割合は6割以上。一方で、それらに関する取組をしていると回答した割合は、いずれも約1割と低く、米中韓の2割以上と比べても最も低い結果となった。

 仕事、働くことのイメージについては「生活のため」「社会人としての義務」とのイメージを持っている割合が米中韓に比べ高く、「楽しい」というイメージを持っている割合は4ヵ国中最も低い。

 職業選択に当たって「仕事の環境」「安定性」「自分の興味や好みに合っている」がとても重要と回答した割合は4ヵ国中最も高い。また、10年前と比較して「収入」「仕事の環境」「勤務先の福利厚生」がとても重要と回答した割合が高くなっている。

 「今の生活には満足している」にそう思うと回答した割合は、84%に達し、4ヵ国中最高。一方「自分の将来に不安を感じている」に当てはまると回答した割合も8割弱で、米中韓より高い。過去3回の調査と比べ、当てはまると回答した割合が年々高くなっていることが分かった。

(解説 2023-07-03付)

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