【解説】遠隔授業の教科 数学最多
(解説 2023-07-05付)

 文部科学省はCOREハイスクール・ネットワーク構想における遠隔授業に係る調査研究の成果(中間報告)をまとめた。高校に対する配信教科は「数学」が最も多く、特に習熟度別指導のニーズが高いことが判明。一方、安全管理が必要な体育や、現場指導が必要な一部の教科で実施が困難であることが分かった。

 中山間地域や離島に立地する小規模高校では、地域における唯一の高校として大学進学から就職までの多様な進路希望に応じた教育・支援が求められる反面、教職員数が限定的であること、生徒のニーズに応じた多様な科目の開設や習熟度別指導が困難であることなどの課題がある。

 このため文科省は3年度から同事業を開始。複数の高校の教育課程の共通化やICT機器の活用によって生徒の多様な進路実現に向けた教育や支援を可能とする高校の実現、持続的な地方創生の核としての機能強化を図る。

 5年度の実施機関は道教委をはじめ全国13教育委員会。T―baseなど全国に6ヵ所ある遠隔授業の配信センターと約100の高校で構成する。

 遠隔授業の教科・科目数をみると「数学」「理科」「外国語」「地理歴史」の順に多い。各教科のニーズは数学と外国語で「習熟度別指導」、理科、地理歴史・公民で「専門性」、芸術、情報で「免許外教科担任制度の解消」が高かった。

 現場教員からは、英語ではタイムラグの発生、発音指導や聞き取りなどの技術的課題から困難さを感じる意見が寄せられたほか、薬品を使って実験する理科、プログラム実習の現場指導が必要な情報の実施が困難との声も。「実習助手や補助員の配置によって課題が解決できる」と指摘する。見取りが可能な生徒数は、端末を活用した場合、最大15~20人程度となっている。

(解説 2023-07-05付)

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