【解説】学校体育施設の開放促進を
(解説 2023-07-07付)

 スポーツ庁と経済産業省は5日、第2期スポーツ未来開拓会議中間報告を公表した。地域のスポーツ環境確保のため、企業や法人等への学校体育施設の開放を促進するよう提案。各自治体で早急に検討する必要性を示した。

 国の調査によると、グラウンドや体育館など学校体育施設は全国のスポーツ施設数の約6割を占める。学校体育施設の開放率は年々上昇しているものの、開放対象者は事前の登録団体などに限定されている場合が多く、営利法人による一次利用を認めている割合は1割にとどまる。

 予約・調整の手続きや土日に施設管理を担う学校現場の負担も大きな課題に。スポーツ庁が令和2年3月に作成した「学校体育施設の有効活用に関する手引」では、実際に学校を開放する際に参考となる全国の好事例を掲載している。

 中間報告ではスポーツの機会創出、市場拡大、魅力向上の循環によって、スポーツ産業の市場規模を2025年までに15兆円とする目標を明記。最新技術を活用したスポーツ観戦体験の高度化、スタジアム・アリーナにおける特別席の設置や選手交流などホスピタリティー関連ビジネスの拡大を提案している。

 地域スポーツ環境の再構築に当たっては、法人や企業など多様な主体が地域スポーツに参入するため学校体育施設の一層の活用が必要と指摘。具体的な方策として、改修時における一般利用を前提とした学校施設の高度化や民間施設との複合化の推進、低所得世帯への支援や新たな財源創出の検討も提案した。

 沖縄県うるま市では指定管理者制度の導入に向け準備。多世代向けのスポーツクラブの運営やイベントの実施による学校施設の産業化、民間投資を活用したハード面の充実が期待されている。

(解説 2023-07-07付)

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