羅臼知床未来中と羅臼町教委　地域全体で読書活動展開　学校司書主体に環境整備

（市町村 2023-07-10付）

羅臼知床未来中と羅臼町教委読書活動を推進する取組

　【釧路発】羅臼知床未来中学校と羅臼町教委は、学校司書職員を主体とした地域全体が読書に親しむための活動を各種展開している。同校学校司書職員の無藤雅美さんは、国の公立中学校事務職員定数加配事業によって派遣。これに伴い「読書会」や町教委と連携した図書選定など、地域全体が読書活動に親しむための環境づくりに尽力している。

　全国学力・学習状況調査における生徒質問紙調査の結果を分析したところ、町内家庭における図書の冊数が全国・全道的に少ないことが判明。町教委はこの結果を踏まえ、家庭における読書活動の推進に向けて、子どもたちはもとより、保護者にも本に親しんでもらう機会の提供に努めている。

　その一環として行われている読書会は、学校と家庭、地域が連携して子どもたちの読書週間の構築を図ることを目的としている。無藤さんが企画・運営に携わり、昨年１１月から隔月で開催している。

　読書会は、同校図書館・多目的ホールで開かれている。クラシック音楽が流れる中で用意された飲み物を片手に学校図書や持参した本を読むなど、読書時間を満喫している様子が見られている。参加した保護者からは「一度学校図書館に訪れてみたいと思っていた。定期的に行ってほしい」などと好評の声が上がっている。

　このほか、職場体験学習の実施時期には関連図書を配架したり、防災の日には防災に関する図書を配架したりするなど授業内容と関連した特設コーナーを設置。貸し出し冊数に応じて特製しおりをプレゼントするなど様々な手法を凝らして読書活動を推進している。

　無藤さんはこれらの活動について「多くの児童生徒が本に触れる姿を見てうれしく感じる」と話すとともに「夜の読書会の定着を図り、地域全体が読書を好きな町となれるよう努めていきたい」との姿勢を示した。

(市町村 2023-07-10付)