陸別町5年度教育行政執行方針 教職員勤務実態公表へ 働き方改革推進プラン改訂
(市町村 2023-07-07付)

陸別町有田勝彦教育長
有田教育長

 【帯広発】陸別町教委の有田勝彦教育長は5年度教育行政執行方針において、「学校における働き方改革陸別町推進プラン」を改訂し、教職員の勤務実態の把握と公表に努める意向を示した。事務補助職員、中学校部活動外部指導員の配置による効果の検証・改善を図りながら進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

 「子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育の推進」「学びの機会を保障し質を高める環境の確立」「地域と歩む持続可能な教育の実現」を柱とし、町の特性を生かした「地域とともにある学校づくり」に取り組む。

 1人1台の情報通信端末機器などICTを効果的に活用した「個別最適な学び」「協働的な学び」の充実による授業改善に取り組むなど、子どもたちが社会で生きる力の育成に向け、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図り、ICT支援員の配置によって情報教育の充実に努めるとともに、全国学力・学習状況調査などの活用・分析によって、子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育を推進する。

 陸別小学校と陸別中学校では元年度からスタートした小中一貫教育を通じて、9年間を見通した一貫性・継続性のある指導を推進する。

 その取組として、小学校に学習支援員の継続配置、高学年の教科担任制の導入・推進に向けて、中学校教諭による英語科の乗り入れ授業、教員免許所有の教育委員会職員による理科授業への派遣を継続する。学校運営協議会、地域学校協働本部が一体となって連携し、学校・地域全体で教育の質を向上させ、持続可能な社会の創り手となるよう取り組む。

 特別支援教育についても組織的・継続的な取組を進め、町子ども発達支援連絡会の定例開催、特別支援補助員配置の継続など、関係機関の連携強化による切れ目ない支援の充実を図る。

 ふるさと学習で使用する小学校社会科副読本『りくべつ』については、町教育研究所が現在改訂作業を進めており、6年度から使用するため、5年度に改訂・発行する。

 町保・小連携連絡会推進会議では、スタートカリキュラムを作成し、保育所園児の小学校への入学がスムーズにつながるよう、交流や参観を実施して、小学校と保育所の連携の充実に努める。

 全国体力・運動能力、運動習慣等調査などの活用・分析によって、体力・運動能力の向上を図るとともに、新型コロナウイルス、インフルエンザなどに対する予防、感染症対策およびフッ化物洗口の実施によって、家庭や地域と連携した健康的な生活習慣の確立と、健康面に対する正しい知識の周知徹底に努め、健康教育の充実に取り組む。

 信頼される学校づくり、信頼される教職員になるために、学校が組織として一体となった教育活動を展開する必要が求められていることから、校長教頭会議、職員会議などを通し全体で意識の高揚を図る。

 校長の経営方針に基づき、「全ての子どもたちの可能性を引き出す」という創意工夫ある取組へとつなげ、同僚等との対話や実践の振り返りなどの機会を確保し、教職員の資質・能力の向上を図るとともに、校内、関係機関等における研究活動の充実、研修会への参加、教育局指導主事の指導を受けながら、学校課題の改善に向けて取り組み、子どもたちの学びの保障に向けて取り組む。

 教職員の時間外勤務増加に伴う長時間労働を改善するため「学校における働き方改革町推進プラン」の改訂など、学校閉庁日や部活動休養日の取組を推進し、勤務実態の把握とその公表に努める。事務補助職員の配置継続、中学校部活動外部指導員の配置など、その効果検証と改善を図りながら進める。

 いじめやネットトラブル、学校に行くことができないなど、様々な課題を解決するためには、学校全体で未然防止、早期発見、早期対応に取り組む細かな対応が重要である。児童生徒およびその保護者が抱える問題や悩みを解決するため、スクールカウンセラーを活用し改善を図る。教育の質の向上と学びを保障するため、安心して過ごせる居場所づくりに向けた取組を進める。

 登下校時における児童生徒に対する指導をはじめ、春・冬の通学路の点検や交通安全教室、1日防災学校を開催して、関係機関と連携した推進体制の構築と自己防衛意識の高揚を図る。 小学校区においては、市街地全自治会からの協力により、子どもたちを地域の目で見守る「校区支援ネットワーク」に取り組むなど、陸別駐在所や町内企業による安全パトロールの実施などとともに、情報の共有化と安全確保に努め、登下校時の街頭指導に協力いただいている。

 スクールバスについては、より安全な運行に取り組むため、安全管理装置の取り付けに必要な予算を計上した。

(市町村 2023-07-07付)

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