羅臼町 5年度教育行政執行方針 幼小中高一貫 中高で乗入授業 特支支援員各校に1人配置
(市町村 2023-07-10付)

羅臼町教委石﨑佳典
羅臼町教委・石﨑佳典教育長

 羅臼町教委の石﨑佳典教育長は、第2回町議会定例会において5年度教育行政執行方針を説明した。幼小中高一貫教育の一環として5年度から中高での乗り入れ授業を行い、切れ目のない教育活動の推進を図る。

 このほか、特別支援教育支援員を各校1人ずつ配置。個別の支援計画「こんぱす」のより一層の活用などを図り、一人ひとりに応じた支援の充実に努めていく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼小中高一貫教育

▽中高連携

 町内全ての幼稚園、小・中学校、高校の教職員によって構成される「羅臼幼小中高一貫教育推進協議会」において3歳から18歳までの15年間を見通した一貫教育に取り組んでいる。5年度は読書習慣の確立、各種調査結果の分析による弱点克服、外国語教育の充実、1人1台端末の活用推進、生活のきまりの見直し、特別支援教育の充実に努めるとともに、中高連携については乗り入れ授業を実施していく。

▼新しい時代に必要となる資質・能力の育成

▽学力向上

 幼小中高共通の学力向上「羅臼プラン」に基づき確かな学力の育成に取り組むとともに、成果発表の場として幼稚園、小・中学校ごとに公開授業を開催し、授業の検証を行う。

 また、一貫協の学力向上部会において、各校の全国学力・学習状況調査や標準学力検査結果を分析。授業改善や生活習慣の改善に向けた提言を行い、実践を促す。

▽読書習慣形成

 言葉を学び感性を磨き、表現力を高めるため、また、読書好きな児童生徒を育成するため学校における読書習慣の確立に向けた全校一斉読書の取組を強化する。

▼特別支援教育の推進

 5年度から、特別支援教育支援員を各校1人ずつ増員し、より個に応じた支援に努める。さらに、幼稚園や小・中学校の特別支援教育コーディネーターなどを中心に、保護者や関係機関と連携した支援体制の充実に努め個別の支援計画「こんぱす」の一層の活用を推進するとともに、より一人ひとりのニーズに沿った学習とするための指導計画を作成。切れ目のない一貫した支援を目指す。

 また、専門的な知識を持って指導できるよう、指導者への研修機会の充実を図るとともに、支援が必要な子どもを持つ保護者へのサポート体制として個別面談や研修会の充実を図る。

▼キャリア教育の推進

 小1から中3までの9年間を見通した「羅臼町版キャリアパスポート」によってそれぞれの個性に応じた進路実現につながるよう努めていく。

 また、基幹産業をはじめとした多種多様な職業体験の場の確保に努め児童生徒の将来の職業選択の幅を広げる。

▼ふるさと教育の充実

▽ユネスコスクールの活動充実

 持続可能な社会づくりの担い手を育む教育を推進するため、知床学として「クマ学習」「生態系学習」「海洋教育」などに取り組んでいる。

 5年度は、知床学の副読本を位置付けたカリキュラムの作成を行うとともに、他地域の先進校と意見交換や課題協議を行い「海洋教育」の発展に努めていく。

 ESD(持続可能な開発のための教育)を推進しており、ゼロカーボンの目標を追加し、SDGsという具体的ゴールに向かい理解を深めるとともに、ふるさと教育の発展のため、教職員の研修機会の充実と「ユネスコスクール発表会」などを通じて情報発信を推進する。

▼グローバル人材の育成

▽羅臼高校

 高校の魅力化づくりの一環として、学校と地域が連携・協働し地域と共にある学校づくり、学校を核とした地域づくりの取組を町総がかりで支援する。

▽英語教育の充実

 ALTの2人体制を維持するとともに、授業のほかにイングリッシュキャンプを実施するなど、子どもたちが日常的に英語によるコミュニケーションができる力を育む。

▼ICTの活用推進

 1人1台端末の整備のほか、全ての小・中学校において環境を整備し、遠隔授業を実施している。また、引き続き全ての教科にデジタル教科書を導入するとともに、ICTの特性を生かし個に応じた学習の充実が図られるよう努める。

▼地域と学校の連携・協働の推進

▽コミュニティ・スクール

 町学校運営協議会として「地域とともにある学校づくり」「学校を核とした地域づくり」の実現に向けて各学校区に地域学校協働本部を立ち上げ、学校支援活動の充実を図る。

▼安全・安心な教育環境の構築

▽防災教育の充実

 道実践的安全教育モデル構築事業の指定を受け、大学や防災関係者による講演や授業などを行い地域住民や児童生徒の防災意識の向上を図っている。これまでの実践成果を継続し、児童生徒の安全確保の観点から、自然災害発生時において自ら身を守る能力と、共に助け合う能力をさらに高めていく。

▼芸術文化活動の推進

 次代を担う子どもたちの生きる力を育むために、家読(うちどく)事業等を充実させ、子どもの読書活動を推進。新図書館についても生涯学習や情報拠点であるとともに、子育て世代や高齢者に喜ばれるサービスの拡充を図る。

(市町村 2023-07-10付)

その他の記事( 市町村)

斜里町5年度教育行政執行方針 1人1台端末活用充実 朝日小に通級指導教室開設

斜里町岡田秀明  【網走発】斜里町教委の岡田秀明教育長は、6月21日に開会した町議会第2回定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。学校教育の分野において、GIGAスクール構想による1人1台端末環境が3年目...

(2023-07-12)  全て読む

愛着障がいテーマに藤井教育長講話 チーム学校で環境修復 函館市教委 市立校長会議

函館市教委教育長講話  函館市教委は6日、函館市民会館で市立学校校長会議を開いた。藤井壽夫教育長が市内の国公立学校・園の管理職約60人を対象に「愛着障がいの理解と留意点」について講話。愛着障がいへの理解を促すとと...

(2023-07-12)  全て読む

十勝 部活動地域移行の検討状況 8割が年度内に検討組織 コーディネーター配置は4町村

 国は公立中学校における休日における部活動の地域移行や地域クラブへの移行について、5~7年度を改革の推進期間に設定。道教委は3月に北海道部活動の地域移行に関する推進計画を策定して各種取組を展...

(2023-07-11)  全て読む

鹿部町教委 デジタルキッズを再構成 町のPR動画を制作へ プログラミング検定無料に

しかべデジタルキッズ開講  【函館発】鹿部町教委は、町内の児童生徒が放課後や休日に参加できるICT教室「しかべデジタルキッズ」の内容を再構成した。本年度は動画制作スキルを身に付ける内容をテーマに設定。町のプロモーショ...

(2023-07-11)  全て読む

羅臼知床未来中と羅臼町教委 地域全体で読書活動展開 学校司書主体に環境整備

羅臼知床未来中と羅臼町教委読書活動を推進する取組  【釧路発】羅臼知床未来中学校と羅臼町教委は、学校司書職員を主体とした地域全体が読書に親しむための活動を各種展開している。同校学校司書職員の無藤雅美さんは、国の公立中学校事務職員定数加配事業...

(2023-07-10)  全て読む

電子教科書など導入 小清水町 5年度町政執行方針 小中で授業改善視点同一化

 【網走発】小清水町の久保弘志町長は5年度町政執行方針で、指導用デジタル教科書や児童生徒用学習支援ソフトを導入し、ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びを進めていく考えを示した。小中一...

(2023-07-10)  全て読む

清里町 5年度教育行政執行方針 こども園開設へ取組 中高生海外派遣研修を展開

清里町教委野呂田成人  【網走発】清里町教委の野呂田成人教育長は、6月21日開会の第4回町議会定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。基本構想を策定している認定こども園は、協議内容を具体的な計画レベルまで高め、...

(2023-07-10)  全て読む

陸別町5年度教育行政執行方針 教職員勤務実態公表へ 働き方改革推進プラン改訂

陸別町有田勝彦教育長  【帯広発】陸別町教委の有田勝彦教育長は5年度教育行政執行方針において、「学校における働き方改革陸別町推進プラン」を改訂し、教職員の勤務実態の把握と公表に努める意向を示した。事務補助職員、中...

(2023-07-07)  全て読む

足寄町教委  部活動地域移行検討協を設置 初会合で課題等共有 3ヵ年で調査研究と実践推進

足寄町教委・部活動地域移行検討協  【帯広発】足寄町教委は、部活動地域移行検討協議会を設置した。6月29日に町民センターで第1回会合を開き、国の動向および町の現状や課題を委員10人と共有。東海林弘哉教育長は、本年度から3ヵ年...

(2023-07-07)  全て読む

函館市5年度教育行政執行方針 不登校生徒支援へ 非常勤講師を配置 縄文世界遺産センター誘致

函館市藤井壽夫  【函館発】函館市教委の藤井壽夫教育長は6月28日の第2回定例市議会で教育行政執行方針を説明した。いじめ・不登校対応では、市内小学校に対するスクールカウンセラーの派遣や市内中学校で広がってい...

(2023-07-06)  全て読む