【解説】令和の地教委 文科省が方向性
(解説 2023-07-21付)

 文部科学省は「令和の日本型学校教育を推進する地方教育行政の充実に向けて」を取りまとめ、19日に公表した。教育委員会の機能強化や小規模自治体の広域連携の促進など地方教育行政の在り方を提起している。

 平成26年の地方教育行政法改正後、教育を取り巻く社会状況は大きく変化。このため文科省は有識者会議を設置して制度運用の成果と課題を整理し、令和の日本型学校教育の実装に向けた地方教育行政の在り方を検討してきた。

 ①教育委員会の機能強化・活性化②教育長・首長の効果的な連携③学校運営支援のための教育委員会の役割④小規模自治体への対応と広域行政の推進方策―の4観点で今後講じるべき方策を示し、教育委員会会議の活性化に向けては、教育委員による議案提案や校長によるプレゼンテーションを導入する埼玉県戸田市教委の事例を紹介した。

 行政職、教員、民間など様々な特性を持つ教育長を人選する考え方も整理して示し、教育長の職を担う人材を中長期的に育成する観点から人事異動による広範な教育行政の経験や教職大学院での学び直しの積極的な提供が重要とした。

 広域自治体として小規模自治体の適切な支援に当たる都道府県の役割も明記。広域連携に係る制度の周知や事例創出に向けた積極的な支援を掲げた。指導主事の資質・能力の向上や連携促進に向けては、国においてオンラインでの情報交換やネットワークづくりを進める必要性を示した。

 総合教育会議の活性化に向けた好事例として紋別市教委を紹介。市長部局の職員参加によって予算が必要な施策の実現につなげたり、不登校対策を議題とする会議で適応指導教室指導員などに参加してもらうことで現場の声を施策へと反映させたりしている。

(解説 2023-07-21付)

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