【解説】実情に応じた昼食提供を

（解説 2023-07-24付）

　こども家庭庁は、夏休み等の放課後児童クラブでの昼食提供について、クラブの大半が弁当持参を求めている現状を踏まえ、各地域の実情に応じて昼食提供を検討するよう呼びかけている。

　同庁は、夏休み等の長期休業中に放課後児童クラブの食事提供状況を把握するため、放課後児童クラブのある自治体１６３３市区町村を対象に調査した。

　各事業所が長期休業中に昼食を提供しているかを把握している自治体は、９９５市区町村。これら自治体にある児童クラブ１万３０９７ヵ所のうち、昼食提供している事業所は２２・８％に当たる２９９０ヵ所にとどまった。

　提供方法の内訳をみると、事業所内部で調理しているのは５５２ヵ所。弁当の配布など事業所による手配で提供しているのは、１８５９ヵ所で全体の６２・２％を占める。保護者会等と連携して手配しているのは３７４ヵ所あった。

　同庁では、６月に各自治体に対して地域の実情に応じた対応を求める通知を発出。子どもたちが弁当の持参・購入が難しい場合は、弁当配達や食料品配布などによる支援を行うなど、関係部署と連携しながら、適切に対応するよう求めた。

　また、７月には、自治体による独自の取組をまとめた事例集を周知。学校給食センターで調理した昼食を使った事例や、認定こども園で調理した昼食を提供する取組などを紹介した。

　こうした中、札幌市では本年度、夏休み期間に児童クラブ１２０ヵ所で一定の費用負担のもと、弁当を提供する事業を試行。期間は、夏休みの２６日～８月１８日で、土日祝日と８月１４日を除く平日１６日間とした。

　同庁では「先進事例を参考に、各自治体において食物アレルギーにも配慮しながら取り組んでほしい」としている。

(解説 2023-07-24付)