【解説】大学進学 20年で2割減
(解説 2023-07-19付)

 文部科学省が14日の中教審大学分科会で示した将来推計によると、2040年の大学入学者は約49万人と3年度現在の数字から約2割減少することが分かった。本道においては1万6213人で15%減少。進学率は56・9%と約10ポイント上昇する試算を示した。

 大学入学者数の将来推計は、2018~21年度における大学進学率の伸び率で大学進学率が上昇すると仮定し、都道府県別に推計した数値を集計した。

 急激な人口減少と大学進学率の伸張を加味した場合、2040年の進学者数は49万781人となり、外国人留学生比率が現状(3・07%)のままと仮定した場合は51万110人となる。2040年代の大学の定員充足率は8割を下回る年もあり、2050年の進学者数は49万9372人まで減少する。

 また、外国人の留学生受け入れを推進してOECD並みの数値(8・08%)になったと仮定すると、2040年の進学者数は53万8098人。2050年では52万7360人となり、4年度の約62万人から約10万人減少する見通しとなる。

 本道の状況をみると、18歳人口は3年度現在の4万5007人から2万8500人まで減少。道内外の流出入差を加味した大学進学者数は2万1039人から1万5553人まで減少し、大学進学率は46・7%から56・9%に上昇する。

 中教審では今後、2040年以降のわが国の将来を見据えた高等教育が目指す姿や、急速な少子化を見据えた高等教育の在り方を議論する。14日の記者会見で永岡桂子文科大臣は18歳人口の減少を見据え「各高等教育機関において、学習者本意の質の高い教育が展開され、社会で果たすべき役割や機能が実現されるよう中教審で十分に議論を深めていただきたい」との考えを示した。

(解説 2023-07-19付)

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