【解説】記述問題に改善の兆し
(解説 2023-08-01付)

 本道における記述式問題の平均正答率は例年低い傾向にあるが、今回の調査では改善の兆しが見られた。全国平均の正答率を最も大きく上回った問題は2つの三角形の面積の大小を述べる小学校算数の問題で、全国平均を4・7ポイント上回る25・5点となった。また、古典・現代文の竹取物語を比較して工夫を述べる中学校の国語問題、登場人物の思いを記述する小学校の国語問題も全国平均以上となっている。

 正答数が少ない層とされる児童生徒の割合も改善傾向にあり、小学校の算数、中学校の国語、数学、英語の4教科で差が縮小。中学校の国語は全国とほぼ同水準となった。

 ICTの各場面における活用状況をみると、調べ学習では小学校41・0%、中学校38・0%、協働学習では小学校25・8%、中学校19・3%、発表・表現では小学校24・5%、中学校20・2%といずれも全国平均より高かった。

 端末の持ち帰り状況は自治体間で差があり対応に遅れが生じている地域も。文部科学省が昨年8月に実施した調査では、端末の持ち帰りを実施していない理由は「端末破損への懸念」「情報セキュリティーの確保への不安」「通信環境が整っていない家庭への補助が困難」などが多い。

 情報モラルに関するトラブルが懸念される中、児童同士の議論や合意形成を経て端末利用のルールを改善・明示する学校や、タイピングソフトやAIドリルを導入する自治体もある。

 また、長期休業期間の様子をクラウドの学級日誌で交流したり、家庭学習の取組状況を蓄積・可視化する試みも行われている。端末を家庭で効果的に活用するには児童生徒自ら使用のルールを理解するとともに、学校と家庭が方向性を共有し、好事例の普及を図ることが重要となる。

(解説 2023-08-01付)

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