【解説】自己有用感 学びの力に
(解説 2023-08-08付)

 4日の道教委の教育委員会会議では、5年度全国学力・学習状況調査結果が取り上げられた。各委員からは、各教科の平均正答率の改善や自己肯定感の向上などの点を高く評価。他方、無回答率の高さから学力の二極化を懸念する声もあり、改善の必要性も示された。

 大鐘秀峰委員は平均正答率が改善傾向にある要因として「学習のバランスや組織的な指導が反映されている」と指摘。自己有用感を感じている小学生の割合も大きく上昇していることから「学習に向かう力と自己有用感はつながっている。これからの成果に十分期待できる」と述べた。

 他方、各教科、特に中学校の英語の無回答率が高い点に触れ、特に後半の短答式・記述式の全ての問題で全国平均を上回っていることから問題の捉え方や読解力に課題がある可能性を指摘。無回答率と正答率いずれも高い問題もあることからより詳細に分析する必要性を示した。

 川端絵美委員は、現在の中学2年生が小学6年生からどのような変化があったか道教委に質問。感染症の影響で学習が不十分な生徒がいる可能性があることから、児童生徒の観察を継続して授業改善に生かす視点の大切さを示した。

 清水彰委員は授業における端末の活用率が全国平均を上回っている点を高く評価し、学力との関係性に関する今後の詳細な分析に期待した。

 青山夕香委員は「将来の夢や目標をもっている」と解答した小学生の割合が0・6ポイント増の59・8%、中学生が0・2ポイント増の40・1%といずれも改善した点に触れ「教員が将来の夢や目標に関する指導に力を入れてくれたのではないか。キャリア教育を通し、勉強や目標に向かうことを継続してほしい」と期待を寄せた。

(解説 2023-08-08付)

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