【解説】精神疾患の退職教員最多
(解説 2023-08-03付)

 精神疾患を理由に離職した公立幼稚園、小・中学校、高校の教員数は1026人と過去最多を記録したことが文部科学省の4年度学校教員統計(中間報告)で分かった。文科省は本年度、病気休職の原因分析やメンタルヘルス対策に関するモデル事業を実施し、対策に取り組むとしている。

 調査は学校の教員構成、個人属性、職務態様、異動状況を明らかにするため3年ごとに実施。調査時点は4年10月1日で、確定値は6年3月に公表する。

 教員の平均年齢は幼稚園が41・4歳、小学校が42・1歳、中学校が43・0歳、高校が46・2歳。3年前の前回調査と比較して幼稚園は0・8歳、高校は0・1歳上昇、小学校は0・5歳、中学校は0・6歳低下した。

 定年退職者を含む離職者数は高校で増加、幼稚園、小・中学校で減少。このうち精神疾患による離職者は幼稚園が42人、幼保連携型認定こども園が31人、小学校が571人、中学校が277人、高校が105人となった。

 1日の記者会見で永岡桂子文科大臣は、精神疾患の要因について「業務の質の困難化」「教員間の業務量・内容の差」「保護者等からの過度な要望・苦情、不当な要求」が考えられるとし「引き続き学校の働き方改革や教職員間のメンタルヘルス対策にしっかりと取り組んでいかなければならない」と述べた。

 文科省は本年度から教員のメンタルヘルス対策に関する調査研究に着手。全国5つの自治体で精神疾患による病気休職の原因分析や対策を検討するモデル事業に取り組み効果的な取組の研究や事例の創出を行う。セルフストレスチェックの促進やICT・SNSの活用、精神科医等の専門家による相談体制の充実を図るほか、関係者会議を設置して効果検証を行う予定だ。

(解説 2023-08-03付)

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