生徒指導で石狩教育研修センター 子の成長促すために 具体的な事例想定した演習等
(関係団体 2023-09-04付)

石教研地域連携共同企画支援研修
石教研地域連携共同企画支援研修(クリックすると拡大表示されます)

 石狩教育研修センター(津谷昌樹所長)は8月28日、地域連携共同企画支援研修をオンライン開催した。「児童生徒の成長を促す積極的な生徒指導の在り方について」と題して、生徒指導提要の改訂や生徒指導・教育相談に係る基本的な方向性を解説。具体的な事例を想定した演習を行い、児童生徒の成長を促す積極的な生徒指導の在り方について理解を深めた。

 今回の研修は、同センターと道立教育研究所による共同事業で、今日的な教育課題を適切に対応できる能力を向上させることが目的。

 生徒指導提要は、平成22年に作成されて以来、社会環境・教育課題が変化したことや必要な対応等を反映する動きを受けて、令和4年12月に改訂された。具体的には、いじめに関わる重大事態の発生件数や児童生徒の不登校者数・自殺者数が増加傾向であるなど、状況の深刻化や関連法規の施行を踏まえ、生徒指導の概念や方向性を再整理したもの。

 この日は、石狩管内の教職員21人が参加。道研人材育成部の佐藤昭彦研究研修主事が講話した。

 佐藤主事は冒頭、生徒指導を2軸3類4層に分類した。あらゆる生徒指導の母体となる発達支持的生徒指導について「教育課程内外を問わず、日常的に生徒指導の観点を持って働きかける考え方」と説明。いじめ、不登校対応、暴力行為、自殺予防などの個別課題に関して、主に考えられる原因を挙げながら、深刻段階に応じた対応策を示した。

 また、学校全体が組織的かつ継続的に支援を行うことの重要性を説き、チーム学校としての支援体制を構築するには「校長のリーダーシップのもと、管理職による一体的なマネジメントや教職員同士の綿密な情報共有が大切」と呼びかけた。

 生徒指導の目的として、自己実現と社会的資質・能力の育成を訴えた。主体的な課題挑戦、他者との協働が欠かせないことから、学習指導や道徳学習との関連性にも触れ、学校が安全・安心な居場所となることを期待した。

 個別課題には、文部科学省が作成した基本方針やガイドライン、関連法規などに沿って、組織的・計画的に対応するよう求めた。地域や教育機関等と連携し、未然防止教育や人権教育、非行防止教室を実施するなど、自己肯定感や社会的自立を後押しする在り方を示した。

 続いて、具体的な事例を示して対応方法を演習。児童が同級生の言葉に傷ついたが発言者の特定は避けてほしいという事例と、複雑な家庭環境から不規則な生活を送っている児童に不登校の予兆が見られ始めた事例について、取り得る対応を考え、チーム支援をシミュレーションした。

 教育相談では、児童生徒の自己実現を見据えた時間的な視点を持ち、柔軟な心のケアに当たるよう助言した。

 また、効果的な相談の手法として、相手の感情を受け入れながら指導助言する「カウンセリングマインド」や「傾聴・受容・繰り返し」に基づいた聞く態度、否定的な見方を肯定的に捉え直す「リフレーミング」を紹介した。

(関係団体 2023-09-04付)

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