道教大と内田洋行がGIGAセミナー ICT活用 先進事例共有 宗谷管内小・中の実践紹介等(関係団体 2023-09-01付)
内田洋行GIGAセミナー夏
【稚内発】道教育大学と㈱内田洋行(東京)は8月26日、稚内市生涯学習総合支援センターを主会場に「北海道発GIGA活用セミナー夏~地域ごとの特色ある先端教育の可能性を探る」を開催した。オンラインを合わせて170人が参加。ICTの活用に関する講話やパネルディスカッションのほか、宗谷管内における小・中学校の教職員が授業で使用しているアプリの活用方法などを提案。児童生徒が自身の将来を切り開いていくために必要なICT教育の発展に向け、研鑚を積んだ。
開催に先立ち、内田洋行教育ICT事業部の宮村豊嗣事業部長、道教育大の後藤泰宏副学長があいさつ。宮村事業部長は「学校ではICTが当たり前になり、うまくいってること、いってないことがあると思う。きょうのセミナーをきっかけに、向上につなげてほしい」、後藤副学長は「全国的に進む教育のDX化について理解を深め、本道教育の活性化につながってほしい」と、それぞれ期待を寄せた。
講演では、東京都利島村の弟子丸知樹教育長、沖縄県教委県立学校教育課教育DX推進室の大城智紀主任指導主事らが講話した。
弟子丸教育長は「当事者として進める教育DX」を演題にGIGAスクール構想や教育DXの今後について説明。冒頭、本年度の全国学力・学習状況調査からICT関連の調査データを示し、「端末を授業でほぼ毎日使用している割合が約6割。これからはどのように使用していくかを考えなければいけない」と強調した。
利島村では、村教委主催のICTに関する勉強会やグーグル認定教育者の資格取得セミナーを開催。「島に行くことでICT活用について成長できる」と思われる環境整備に取り組んでいることを紹介した。
その上で「ICTが発達したことで、教材や解決方法を共有できるようになった。教職員も積極的に取り入れてほしい」と述べ、メクビットや生成AIの活用についても言及した。
大城主任指導主事は「クラウド環境を十分に活用した1人1台端末の活用」と題して、沖縄市における教育DX化に向けた取組などを解説。文部科学省のリーディングDX推進事業の指定校2校を中心に、オンデマンド研修やDX化を県教委・市教委が連携して推進している事例を紹介した。
まとめでは、GIGAスクールの実現はチーム学校で取り組む重要性を強調。「ICTが苦手なだけで、授業や学級経営に問題のない先生も多い。苦手な先生を取り残さず全体で解決を図ってほしい」と呼びかけた。
このほか、大阪市にある内田洋行のショールームから未来のコンピューター室として、最新機器を取り入れた「フューチャークラスルーム」の紹介が行われた。
宗谷管内の教職員によるリレー登壇では、稚内市立天北小中学校の吾妻祐輔教諭、幌延町立幌延小学校の石戸谷和利教諭、利尻富士町立鴛泊中学校の梅津光洋教頭が所属校での授業や校務におけるICT活用事例を紹介した。
パネルディスカッションでは、道教育大未来の学び協創研究センターの佐藤正範主任センター員ファシリテーター、講師らがパネリストを務め、端末の持ち帰りや端末活用に関する諸課題の解決などをテーマに意見を述べた。
吾妻教諭は「学校で使用する子どものデータではなく、子ども個人のデータとして共有できるようにすることで、進学しても継続した支援ができる」と、校種をまたいだデータ共有について言及した。
弟子丸教育長は「端末活用の推進は教育委員会、校長・教頭、教諭が同じ方向を向くことが重要。対話や実績を重ね、推進したい取組を具体化してもらうことで、教育委員会も円滑な支援ができる」と呼びかけた。
(関係団体 2023-09-01付)
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