道教委の倉本教育長 檜山管内視察　小規模校の課題を確認　乙部明和小など５校訪問

（道・道教委 2023-09-05付）

倉本教育長檜山管内視察

　【函館発】道教委の倉本博史教育長は８月３０、３１日の２日間、檜山管内の教育行政を視察した。乙部町立明和小学校（晴山泰文校長）では、複式学級におけるきめ細かな指導やＩＣＴを有効活用した学習を見学するとともに、同世代の子どもの交流機会が限られる小規模校の課題を確認した。

　荒川裕美教育政策課長（当時）、藤嶋泰道檜山教育局長、北川伸之次長、津川周一教育支援課長らが随行し、初日は奥尻町立青苗小学校、奥尻中学校、奥尻高校で中高連携の取組などを視察。北海道南西沖地震から３０年の節目を迎えたことを踏まえ、奥尻津波館も訪れた。

　２日目は江差小学校と明和小を訪問。うち明和小では晴山校長から同校のグランドデザインに関する説明を受けた。晴山校長は全国学力・学習状況調査の結果や児童の実態を踏まえ、国語科で相手意識・目的意識を持った書くことの研究を進めていること、町教委の支援のもと導入しているロイロノートやＡＩドリルなど学習ソフトを有効活用していることを説明。体力・運動能力向上については歩数計を付けて１日の運動量５０００歩を意識させるなど特色ある教育活動を紹介した。

　倉本教育長は低・中・高学年における複式学級の授業を参観。少人数のメリットを生かした丁寧な指導や１人１台端末上のロイロノートを活用して他者の意見を確認する児童の様子に目を細めた。

　視察後の懇談で倉本教育長は小規模校における子どもの意見の幅を広げる取組や小中連携について質問。晴山校長は「遠隔授業による他校との交流機会確保だけではなく、対面で互いの体温を感じるコミュニケーションの場も広げたい」と説明した。

　倉本教育長は中学校への円滑な接続を視野に、特に高学年における他校との交流機会を増やすよう推奨した。

　荒川教育政策課長は管内の印象について「教職員の前向きさや明るさから、心理的安全性の高い職場環境がうかがえる。管理職による経営の力量が管内の学力や体力等の成果に表れているのではないか」と話した。

(道・道教委 2023-09-05付)