ほっかいどう専科教員授業力向上へ 評価規準明確化が重要 道教委がセミナー 実践発表等
(道・道教委 2023-09-06付)

 道教委は8月24日、オンラインでほっかいどう専科教員授業力向上セミナーを開いた。北斗市立上磯小学校の太田寛子教諭の国語科、室蘭市立蘭北小学校の宮野亜希子教諭の算数科の授業実践をもとに研修。参加者は、各部会に分かれて、評価規準を明確化する重要性や主体的・対話的で深い学びを視点とした授業づくりのポイントなどを学んだ。

 道教委は、本年度から新しいかたちの学び授業力向上推進事業を開始。国語、算数・数学、ICTの各分野で高い専門性を有する推進教員を配置し、配置校や域内連携校の巡回によるチーム・ティーチング等を通して授業改善を進めている。

 セミナーは、国語、算数における教科指導の専門性を高め、児童一人ひとりの学習内容の理解度・定着度の向上とICTの効果的な活用等による学びの高度化を図ることで本道の児童の必要な資質・能力の育成につなげることがねらい。新しいかたちの学び推進教員や国語、算数の専科教員ら116人が参加した。

 セミナーに先立ち、参加者は、道教委が事前配信した上磯小の太田教諭の授業実践、蘭北小の宮野教諭が白蘭小学校で行った実践を視聴した。

 開会に当たり、ICT教育推進課の髙橋宏明課長があいさつ。5年度全国学力・学習状況調査の結果に触れ「平均正答率が全国平均には達していないものの、平成19年度の調査開始以来、初めて全道平均で全国の平均正答率との差が全ての教科で2ポイント以内となるなど改善傾向が見られている」と報告。「各学校において日頃から学習指導要領に示された内容を児童一人ひとりに確実に身に付けられるよう学校全体で授業改善などを着実に進めてきた成果」と分析した。

 その上で「本セミナーで理解を深めた内容や教員同士の横のつながりを今後の取組に役立てるとともに、本道の授業改善をけん引しているという気概を持ってこれからも各地域の中核を担って教育実践に当たってほしい」と期待した。

 続いて、国語部会、算数部会に分かれて講話を実施。国語部会は、道教育大学附属函館中学校の黒田諭副校長、算数部会は岩手大学の佐藤寿仁准教授がそれぞれ講師を担当した。

 黒田副校長は、現在道内に26人いる国語科専科教員の役割等を説明した上で、観点別学習状況の評価を的確に行うため、学習指導要領に示す目標の状況を判断する「評価規準」を明確化する重要性を指摘。「評価規準の考え方を大切にすることで授業を見る力が格段に向上し、授業をする力につながる」と説いた。

 佐藤准教授は「調査結果を生かした算数・数学の授業づくり」と題して講話。子どもが学びの主役となる授業とはどのような授業かを構想する重要性や主体的・対話的で深い学びを視点に授業改善を進める大切さなどを説いた。

 その上で、全国調査から個と集団における正誤のみに偏らない質的分析を行うことや当該学年だけではなく全ての児童生徒の指導の留意点として解釈することなどの必要性を示した。

 このあと、国語科・算数科の授業づくりや各学校における専科教員の役割等について説明・協議した。

(道・道教委 2023-09-06付)

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