【解説】柔軟な教育課程編成を
(解説 2023-09-15付)

 文部科学省は、子どもたちが主体的に学べる多様な学びの実現に向けた検討タスクフォースの論点整理をまとめた。

 文科省は、柔軟に自らの学びを選択できるような教育課程の弾力的な編成を進めるための方策について必要な検討を行うことをねらい、タスクフォースを設置し検討を進めてきた。

 論点整理では、これまでの検討成果に基づき、子どもたちが主体的に学べる多様な学びを実現していくための論点、今後の方向性などをまとめたもの。また、教育課程編成に柔軟性を持たせた工夫を行う横浜市立奈良小学校、目黒区立中目黒小学校、八王子市立高尾山学園(小・中学部)で実施したヒヤリングの成果・課題を整理した。

 ヒヤリングは、通常の小・中学校を対象とするものと、集団による学びの困難を経験している児童生徒のみを対象にきめ細かな教育活動を支える教職員体制等が充実している実態があるなど、比較して特異性が高い「学びの多様化学校」に係るものに分けて調査。

 小・中学校では「児童の集中力の高い午前中のコマ数を増やすことで、児童の学習意欲が向上した」などの成果が上がる一方で「授業のコマ数を増やさずに45分の単位時間を40分にすることは現状で教育課程の特例(研究開発学校)を用いないとできない」などの課題が浮き彫りに。

 学びの多様化学校では、成果として「午前中を3コマにして登校時間を遅らせることで、登校前に子どもの状況を教職員間で情報共有する時間が確保でき、より良い支援につながっている」などが上がる。一方「子ども一人ひとりに応じた支援を実施していくためには、教育課程編成や教職員の配置に当たっての一層の工夫やそれに伴う関係者とのきめ細かな調整が必要」などの声も上がった。

(解説 2023-09-15付)

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