【解説】 保育施設の事故 過去最多に(解説 2023-09-08付)
こども家庭庁の調査によると、4年に教育・保育施設で発生した子どもの死亡事故・重大事故は前年比114件増の2461件となり、過去最多を記録したことが分かった。死亡事故は平成25年度の19件をピークに減少傾向にあるものの、4年中は5件と3年連続の同数となり、依然として絶えない状況にある。
調査は、幼稚園、保育園、放課後児童クラブ、認可保育所などで発生した死亡事故、または治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故の報告を集計したもの。
負傷等の件数は114件増の2456件で、うち骨折が77%。事故の発生場所は施設内が2182件と89%を占め、さらに約6割となる1256件が施設の室外で発生している。
年齢別では5歳児が606件で最多。施設別では認可保育所が1190件、学童保育が565件、幼保連携型認定こども園が483件と続いた。
命の危険につながりかねない「ヒヤリ・ハット」の事例に関しては国への報告義務はないが、内閣府において自治体の協力を得て各地の事例を収集している。4年度の事例集では、静岡県牧之原市の認定こども園の通園バスに取り残された女児が死亡した事故を踏まえ送迎バスに関する7つのヒヤリ・ハット事例を掲載。重大さに応じたレベルを1~4に分類し、事故が発生しかねなかった具体的な状況、見落としていた内容、改善すべきだった点を示している。
労働災害の発生比率を示すハインリッヒの法則によると、1件の重大事故の背景には重大事故に至らなかった29件の軽微な事故、さらにその背後には300件のヒヤリ・ハットが隠されているとされる。総務省は、施設での事故予防のため事例集の積極的な活用を呼びかけている。
(解説 2023-09-08付)
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