【解説】待機児童数 5年連続減少
(解説 2023-09-05付)

 全国の待機児童の数がことし4月1日時点で2680人となり、調査開始以来5年連続で減少したことがこども家庭庁の調査で分かった。保育の受け皿が拡大したことや就学前人口が減少したことなどが要因。一方、道内の待機児童数は44人増の62人で4年ぶりに増加した。

 同庁は、3年度から6年度を期間とする「新子育て安心プラン」で、女性の就業率の上昇(7年の政府目標82%)に対応するため、6年度末までに約14万人分の保育の受け皿を確保することを目指している。

 調査では、3、4年度の実績と、5、6年度の見込みを集計。現時点では、約8・5万人分の保育の受け皿を拡大する見込み。

 結果をみると、保育所等利用定員は、前年比7000人増の305万人。保育所等を利用する児童数は1万3000人減の272万人となった。

 待機児童数は、264人減の2680人。調査開始以来、5年連続で減り続けている。うち道内の待機児童数は44人増の62人で4年ぶりに増加した。

 また、全体の約86・7%に当たる1510自治体で待機児童なし。待機児童数が50人以上の自治体は6自治体まで減少した。

 減少した要因をみると「受け皿の拡大」「申し込み者数が見込みを下回ったこと」が大半を占める。見込みを下回った理由としては「就学前人口の減少」「育児休業の長期取得」などが挙がった。

 同庁は、待機児童解消のために、潜在的ニーズを含めた保育の利用意向を適切に把握し、それを反映した受け皿整備を進める重要性を指摘。潜在的ニーズに対応できる保育の受け皿拡大が着実に進むよう、地域特性に応じた取組や保育士確保支援など、市区町村の待機児童解消に向けた取組支援を強化していく。

(解説 2023-09-05付)

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