【解説】児童虐待相談件数が過去最多
(解説 2023-09-13付)

 児童虐待相談の4年度相談件数(速報値)は21万9170件と過去最多を記録し、平成11年度の約19倍に増加していることがこども家庭庁の調査で分かった。

 内訳をみると、脅し、無視、著しいきょうだい間差別といった子どもの心を苦しめる「心理的虐待」が59・1%、暴行や厳寒期における屋外への閉め出しなどの「身体的虐待」が23・6%、保護の怠慢、養育の放棄・拒否などの「ネグレクト」が16・2%、「性的虐待」が1・1%。相談経路は「警察等」が51・5%、「近隣知人」が11%、「学校等」が7・3%、「家族」が7・2%などと続いた。

 子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化しており、国は6年4月の改正児童福祉法の円滑な施行に向け準備している。6年度予算概算要求では全ての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的支援を行う「こども家庭センター」の人員体制を強化するほか、子どもの権利を守るための意見表明の支援や周知啓発を行う「こどもの権利擁護環境整備事業」の創設に向けた予算を要望。親子関係の再構築を支援する「親子再統合支援事業」を全都道府県の事業として新たに創設するとともに、現行の保護者指導支援員に代わる親子関係再構築支援員の配置拡充を計画している。

 12日のこども家庭審議会児童虐待防止対策部会第2回会議では、改正児童福祉法の施行に向けて委員が意見。全国的に児童相談所の増加が予想される中、児童福祉司などの職員の確保・人材育成が急務とし、養成校から新卒児童福祉司への財政支援を開始するなどの改善案を示した。

 また、希望する子どもが保護以前の学校に通うための権利を国が保障することや、保護解除後に自立や生活を支援する子どもたちのための手引の作成などを求める声が上がった。

(解説 2023-09-13付)

その他の記事( 解説)

【解説】校内暴力 2年連続で増加

 警察庁は、4年中における少年の補導および保護の概況を公表した。  刑法犯少年の検挙人員は前年比0・5%増の1万4887人。平成16年から減少が続いていたが増加に転じた。  罪種別で最も...

(2023-09-21)  全て読む

【解説】障がい学生の支援拠点拡充へ

 大学、短大、高等専門学校に在籍する障がいのある学生は増加しており、日本学生支援機構の調査によると4年は前年比8928人増の4万9672人を記録。10年前の1万1768人の約4倍となっている...

(2023-09-20)  全て読む

【解説】端末更新の国庫補助

 1人1台端末と高速ネットワークを整備するGIGAスクール構想は当初、数ヵ年をかけて段階的に進める計画だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で状況が一変。未曾有の全国一斉の臨時休業で学びの...

(2023-09-19)  全て読む

【解説】柔軟な教育課程編成を

 文部科学省は、子どもたちが主体的に学べる多様な学びの実現に向けた検討タスクフォースの論点整理をまとめた。  文科省は、柔軟に自らの学びを選択できるような教育課程の弾力的な編成を進めるため...

(2023-09-15)  全て読む

【解説】私大改革へ総合支援計画

 文部科学省は、6~10年度の5年間を集中改革期間と位置付け、私立大学・短大・高専への総合的支援を開始する。少子化時代を支える人材育成を担う新たな大学の在り方を提起する試みで、6年度予算概算...

(2023-09-14)  全て読む

【解説】教員の勤務環境改善を

 文部科学省は8日付で各都道府県知事・教育委員会教育長などに対し、教員の長時間労働を是正する対策の徹底を求める通知を送付した。学校・教師が担う業務の適正化の推進や地域、保護者、首長部局との連...

(2023-09-12)  全て読む

【解説】養護施設の高校進学100%

 道は、第2期「北海道子どもの貧困対策推進計画」推進状況をまとめた。全ての子どもたちが夢と希望を持って成長し、貧困が世代を超えて連鎖しないよう対策を総合的に推進するもので、計画期間は2~6年...

(2023-09-11)  全て読む

【解説】 保育施設の事故 過去最多に

 こども家庭庁の調査によると、4年に教育・保育施設で発生した子どもの死亡事故・重大事故は前年比114件増の2461件となり、過去最多を記録したことが分かった。死亡事故は平成25年度の19件を...

(2023-09-08)  全て読む

【解説】こども大綱 中間整理案

 こども家庭庁は5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針を示す「こども大綱」の策定に向けた中間整理案をまとめた。全ての子ども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる「こ...

(2023-09-07)  全て読む

【解説】生成AI 若者の36%が利用

 日本財団の調査によると、調査対象となった若者の36・1%が生成AIを利用しており、74・9%が生成AIの登場で「学校や先生の役割が変化する」と考えていることが分かった。  調査は17~1...

(2023-09-06)  全て読む