道図書館連絡会議が大会　見えやすい知の宝庫に　東大・根本名誉教授が講演

（関係団体 2023-09-20付）

道図書館大会

　道図書館連絡会議は７日、札幌市内のかでる２・７で道図書館大会を開いた。関係者ら１８５人が参加。基調講演や分科会を通して各図書館が継承してきた特色やスキルを生かし、地域社会を将来にわたって支えていく図書館の在り方を考察した。

　道内の図書館関係者等が一堂に会し、当面する今日的課題について研究協議を行い、共通理解を深め、高度化・多様化する利用者および住民の要望や社会の要請に応える図書館活動の充実と発展に寄与することを目的としている。

　はじめに、道図書館振興協議会の堀本厚会長があいさつ。「各図書館のスキルや特色を生かし、連携しながら運営を進めてほしい」と話した上で「この大会では図書館活動を進める上での多くのヒントがある。参加者同士で情報交換や交流が深まれば」と期待を寄せた。

　続いて、東京大学名誉教授の根本彰氏が「北海道のアイデンティティを確認するための地域アーカイブという考え方」と題して基調講演。前年度から国立国会図書館がデジタルコレクションを国内のどこでも閲覧できるサービスを開始したことを受けて、北海道の図書館では何ができるのかに言及した。

　根本氏は、アーカイブとは過去を再現するための手掛かりのことで、近年では、ウポポイ（民族共生象徴空間）の開設を通じて、多民族共生という見方が強調されるようになったことを説明。

　地域アーカイブを図書館で実現するためには「目的を明確にして資料と情報を収集し、それを“見える”ようにすること。“見せる”ためには、今まで以上に、目録、書誌、展示、利用者講習、デジタルライブラリーなどの手法を駆使して、利用者から見えやすく透明度の高い、知の宝庫となる必要がある」などと述べた。

　その後、分科会を実施。地域社会を将来にわたって支えていく図書館の在り方を考察した。

(関係団体 2023-09-20付)