道公立小中事務職員協が研究大会 多くの評価軸で子見て 余市高・今堀校長の講演など(関係団体 2023-09-20付)
小中事務研究大会
道公立小中学校事務職員協議会(佐々木一会長)は14日から2日間、ホテルライフォート札幌で第72回研究大会を開いた。新型コロナウイルス感染症の影響によって、参集開催は元年度以来4年ぶり。約500人が参加し、大会テーマ「創造性ゆたかな学校事務をめざして!~“領域”のあゆみを未来へつなげよう」のもと、若手職員を対象とした特別分科会を含む5分科会での協議や講演を通して、学校教育を取り巻く諸問題の解決に向けて研鑚を積んだ。
佐々木会長はあいさつで、コロナ禍にあってオンライン形式で大会を継続した3年間を振り返り「(コロナが)完全収束ではないが、学びを加速させるフェーズに入ったと受け止めている」と述べた。
その上で、若手事務職員に向けて、大会を通して多くの人と関わる中で様々な気付きを得て大きな成長につながることを期待。中堅・ベテラン事務職員に対しては「常に背中を見られているという自覚を持ち、後進が続きたいと思える姿を見せてほしい」と訴えた。
来賓あいさつでは、石狩教育局の田中賢一局長が登壇。学校事務および学校事務職員を巡る法整備の状況を示し、参加者に対し①理論や政策を学び、自身の学校の実態に即して適用する資質・能力の向上②他者に共感し目標を立てて実践し獲得した優れた理論実践の共有―の2点を要請。研究大会を通して「優れた理論・実践の共有を図り、教員とコミュニケーションを充実させて、学校経営の一翼を担っていただきたい」と述べた。
基調報告に続き、北星学園余市高校の今堀浩校長が「子どもの生きづらさ・子どもの居場所~北星学園余市高校の教育実践から」と題して講演した。
今堀校長は、3年度における全国の不登校児童生徒数や、不登校になったきっかけに関する調査結果を取り上げ、学校が苦しいと考える児童生徒に対して「“学校は狭い世界。学校での競争なんて、本当はたいしたことはない”と伝えることが大切」と説いた。「児童生徒は、こうしたことに気付くことは難しい。だから、私たち大人が伝えてあげることが重要」と訴えた。
学校の閉鎖性や同質性が醸し出す同調圧力や、均質を求める学校から「はみ出してしまう子や、なじめない子は必ず出てきてしまう」と指摘。「“みんな同じ”は必ずしも悪くないが、過度な“同じ”は同調圧力につながる」と警鐘を鳴らし、たくさんの評価軸を持って児童生徒を見ることの大切さを説いた。
このあと、若手事務職員を対象とした特別分科会を含む5分科会で意見交換。学校財政財務や保護者負担の現状、学校運営と学校事務の展開、学校を取り巻く諸課題と事務職員の関わりなどをテーマに、活発に議論した。
(関係団体 2023-09-20付)
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