道教大附属旭川幼が研究大会 質の高い保育を探求 働きかけや環境デザイン工夫
(関係団体 2023-09-21付)

教育大旭川校附属幼稚園研究大会
教育大旭川校附属幼稚園研究大会

 【旭川発】道教育大学附属旭川幼稚園(佐藤公文園長)は9日、同園で教育研究大会を開いた。研究主題「質の高い保育の探求~幼児期にふさわしい遊びと生活のデザイン」のもと、3~5歳児の公開保育をはじめ、研究発表、保育を語る会などを実施。園児たちに対する保育者の働きかけや環境づくりなどの研究成果を紹介した。 

 本年度は、3年次研究の最終年次。「室内外環境デザインの工夫」「保育者の働きかけ」の2点に焦点を当て、遊びを通して知識・技能の基礎、思考力・判断力・表現力の基礎、学びに向かう力や人間性を身に付ける幼児教育の推進に努めている。

 当日は、上川管内国公立幼稚園研究会主任研究会を兼ねて開催。道内外の幼稚園や保育園、小・中学校の教員53人が参加した。

 はじめに、3~5歳児の保育を公開。参加者は、園庭で草花を使って色水を作る遊びや砂場で水路を作る遊び、室内での工作遊びなどを通して、楽しみながら学ぶ園児たちの様子を視察した。

開会式では、佐藤園長があいさつに立ち「幼児教育に携わる仲間と積極的に交流・連携できる実り多い大会になることを願う」と期待した。

 続いて、櫻井和湖研究部長が本年度の研究成果について発表。研究仮説「身近な環境を生かし、幼児期にふさわしい遊びや生活をデザインすることで、子どもの“やってみたい”を生み出す“質の高い保育”を実現する」を設定し①遊び理解を深めつぎの保育につなげるフォトカンファレンスの工夫②室内遊びと園庭遊びをつなぐ環境づくりの工夫③一人ひとりや年齢に応じた保育者の働きかけの工夫―の3点を展開していることを説明した。

 フォトカンファレンスでは、手芸用のモールを使ったシャボン玉遊びが失敗したことを取り上げた事例を紹介。遊びを広げる手だてや道具について意見交流した結果、子どもたちが多くの道具でシャボン玉遊びを楽しむことができた実績を紹介した。

 環境づくりでは「朝一番から好きな遊びができる場所であり、前日までのその日の続きや跡が残っている」「一人遊びや少人数での遊びができる場所が保障されている」など5つの観点から、保育室・園庭のレイアウトや遊びの準備を工夫していることを解説した。

前年度までの研究で、園児がやりたい遊びを見つけることができる環境を整えることができたため、本年度は室内と園庭がつながるような環境づくりを意識。室内で作ったものを使って外で遊んだり、園庭で遊んでいたことを室内でもできるようにしたりするなどの工夫に努めていることを説明した。

保育者の働きかけでは、子ども一人ひとりの興味・関心や遊びの姿から遊びの展開を多面的に予測し、遊びを発展させるための関わり方や援助の在り方を説明。牛乳パックでボートを作る工作において、折り紙やトイレットペーパーを水に入れて、浮かびやすい材料の実験をする遊びにつなげた事例を紹介した。

保育を語る会では、3~5歳児の担任ごとのグループに分かれて協議。道教育大旭川校の萩原拓教授らを交え、公開保育を参考にしながら「子どもの興味・関心や遊びの姿から、展開を予測して遊びを広げる教師の関わり方や援助」について話し合った。

このあと、国立特別支援教育総合研究所の久保山茂樹インクルーシブ教育システム推進センター長が「共生社会の担い手を育む」と題して講演した。

(関係団体 2023-09-21付)

その他の記事( 関係団体)

北聴研が第20次第1回研究旭川大会 深い学びへ指導を追究 専門性向上で課題研究部会等

聴覚障害教育研究会開会式 【旭川発】道聴覚障害教育研究会(北聴研、須見千慶会長)は21日から2日間、旭川聾学校で第20次第1回道聴覚障害教育研究大会旭川大会を開催した。道内の聾学校7校から教職員66人が参加。研究主...

(2023-09-26)  全て読む

道中が小樽で第64回研究大会 子どもが主語の学校へ オール北海道でしなやかに

道中学校長会研究大会  【小樽発】道中学校長会(森田聖吾会長)は22日から2日間、小樽市民会館を主会場に第64回道中学校長会研究大会を開催した。大会主題「新たな時代を切り拓き、よりよい社会を創り出していく日本人を...

(2023-09-26)  全て読む

信頼に応える経営を オホーツク管内校長会経営研等

オホーツク管内校長会経営研ほか(午後の経営研)  【網走発】オホーツク管内校長会(德増秀隆会長)は19日、北見市端野町公民館で5年度オホーツク地区教育経営研究会・市町村校長会長連絡協議会を開いた。教育経営研には会員約110人が参加。研究主...

(2023-09-25)  全て読む

次代の人材育成へ交流 石狩小中校長会が2ブロック研修会

小中学校長会Aブロック研  石狩管内小中学校長会(佐藤直己会長)は11日と12日、AブロックとBブロックの校長研修会を行った。「教頭・ミドルリーダーの育成」「対話を中心にした授業改革にむけた教職員の資質・能力の向上」...

(2023-09-25)  全て読む

第74回道高校工業教育研究集会 未来創造する教育推進 7部会で専門性向上へ研鑚

工業教育研究集会  第74回道高校工業教育研究集会が19日、ホテルライフォート札幌で開かれた=写真=。道内工業高校の教職員約130人が出席。研究主題「未来を創造する本道工業教育の推進」のもと、中央情勢報告や工...

(2023-09-22)  全て読む

道公教 4年ぶり参集型で研究大会 未来拓く力育む学校へ 野田会長 交流通し研鑚を

 【旭川発】道公立学校教頭会(道公教、野田隆之会長)は15日から2日間、旭川大雪アリーナを主会場に、第56回道公立学校教頭会研究大会道北大会を開催した。4年ぶりの参集型での研究大会となる。研...

(2023-09-21)  全て読む

道図書館連絡会議が大会 見えやすい知の宝庫に 東大・根本名誉教授が講演

道図書館大会  道図書館連絡会議は7日、札幌市内のかでる2・7で道図書館大会を開いた。関係者ら185人が参加。基調講演や分科会を通して各図書館が継承してきた特色やスキルを生かし、地域社会を将来にわたって支...

(2023-09-20)  全て読む

子中心の学校、授業を 道教組が第36回中央委員会

道教組中央委員会  道教組(中村哲也執行委員長)は9日、第36回中央委員会を開いた。2023年度後半期の運動の重点課題に「子ども中心の学校づくり授業づくりを学び、実践を進める取組」など5点を据え、オンライン学...

(2023-09-20)  全て読む

道公立小中事務職員協が研究大会 多くの評価軸で子見て 余市高・今堀校長の講演など

小中事務研究大会  道公立小中学校事務職員協議会(佐々木一会長)は14日から2日間、ホテルライフォート札幌で第72回研究大会を開いた。新型コロナウイルス感染症の影響によって、参集開催は元年度以来4年ぶり。約5...

(2023-09-20)  全て読む

子を守り育てる取組を 道青少年育成協が大会

道青少年育成大会  道青少年育成協会(竹谷千里会長)は8日、札幌市内のかでる2・7で道青少年育成大会・「少年の主張」全道大会を開催した。道社会貢献賞などの表彰式、基調講演、少年の主張全道大会などを実施。青少年...

(2023-09-19)  全て読む