【解説】小中トイレ洋式化7割に
(解説 2023-09-29付)

 文部科学省は27日、公立学校施設のトイレ洋式化の状況(9月1日現在)を発表した。道内公立小・中学校におけるトイレの洋式化率は71・7%。3年前の前回調査と比べ8・2ポイント上昇し、全国平均を上回っている。幼稚園、特別支援学校のいずれも上昇しており、9割を上回っている。

 対象は全国の公立の幼稚園(幼保連携型認定こども園含む)、小・中学校、義務教育学校、中等教育学校前期課程、特別支援学校。児童生徒が日常的に使用するトイレの状況を調べた。

 道内の状況をみると、小・中学校における洋式トイレの割合は71・7%。深川市など22市町村で洋式化率100%となった。

 特別支援学校では7・5ポイント上昇し90・2%で、うち道立特別支援学校は90・9%。

 幼稚園の洋式化率は7・2ポイント上昇し85・2%。釧路市など29市町で100%となっている。

 家庭における洋式トイレの普及に伴い和式トイレに不慣れな子どもは多い。快適な学習空間の確保のみならず、バリアフリー化、防災機能の強化、水量の減少などのメリットもあることから全国の学校でトイレの洋式化が進みつつあり、平成28年度の43・3%から68・3%まで上昇した。小・中学校で和便器より洋便器を多く設置する方針を示している学校設置者は92・0%となっている。

 一方で「駅や高速道路のトイレなど和便器が一定程度ある中、教育上の観点から和式トイレを残す必要がある」「衛生面から便座に触れる洋式を望まない児童生徒も一定数いる」と考える学校設置者もあり、洋式化の割合は自治体間で差が大きい状況にある。文科省は各設置者の方針に応じ、引き続き老朽化対策と教育環境の改善に努めていくとしている。

(解説 2023-09-29付)

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