【解説】「盛る」「推し」使用率5割
(解説 2023-10-04付)

 文化庁の4年度国語に関する世論調査によると、2人に1人が「盛る(より良く見せようとする)」「推し(気に入って応援している人・物)」の言葉を使用しており、全体の8割の人がこれらの言い方を「気にならない」と考えていることが分かった。

 調査は、日本人の国語に関する意識等を調べて国語施策の立案に資するとともに、国語に関する興味を喚起するため毎年度実施。全国の16歳以上の男女3579人から回答を得た。調査時期はことし1~3月。

 言葉遣いに気を使っている割合は80・4%。「流行語や新しい言葉を使い過ぎない」との回答は年齢が上がるにつれて上昇するが「インターネットで感情的な発言・反応をしない」との回答は年齢が上がるにつれ低下する。

 言葉遣いに大きな影響を与えていると思う情報媒体は「テレビ(88・5%)」「スマートフォン・携帯電話(69・2%)」「新聞(36・2%)」の順に多い。

 アルファベットの略語が用いられている状況を「好ましくない」と考えている割合は54・1%で、理由は「意味が分かりにくい」が94・2%を占める。「好ましい」理由は「短く省略した方が使いやすい」が77・9%で最多。

 「引く(異様だと感じてあきれる)」を使うことがある割合は全体の7割。「寒い(冗談などがつまらない)」は5割、「詰んだ(どうしようもなくなった)」は3割。いずれも60代以上から低下し、特に「推し」「詰んだ」の言葉に関しては顕著となっている。

 「涼しい顔をする(関係があるのに知らんぷりをする)」の本来の意味を知っている割合は22・9%。「じくじたる思い(恥じ入るような思い)」は33・5%、「雨模様(雨が降りそうな様子)」は49・4%でいずれも半数以下だった。

(解説 2023-10-04付)

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