【解説】2種免許 大学で取得可能に
(解説 2023-10-02付)

 中教審初等中等教育分科会教員養成部会は9月28日の会議で、7年度入学者から適用する教職課程に関する特例制度を決定した。強みや専門性を有する教員の育成を図るため、4年制大学でも教員の2種免許状を取得可能とするほか、小学校の専科指導優先教科(外国語・理科・算数・体育)に相当する中学校免許状を取得する大学の学科等で小学校の教職課程の設置を可能とし、小・中学校両方の免許状の併有を促進する。

 現状、4年制大学で設置できる教職課程は1種免許のみだが、教員養成系以外の学科で教員免許を取得する場合、卒業に必要な単位(124単位)と教職課程に必要な単位(59単位)との重複が少なく負担が大きい状況となっていた。

 中教審は4年12月の答申「令和の日本型学校教育を担う教師の養成・採用・研修の在り方」で、多様な専門性を有する質の高い教職員集団を形成するには、学生が様々な領域で強みや専門性を身に付けることが必要とし、4年制大学で2種免許状を取得可能とすることで資格取得や留学などの活動との両立を図る考え。

 教職課程の設置では心理、福祉、障がい児発達支援、日本語指導などの分野で専門性を身に付ける活動が顕著であり、教員免許状との相乗効果が見込めることなどの要件を設ける。

 4年度から本格導入となった小学校教科担任制への対応では、中学校免許状の英語・理科・数学・保健体育の教職課程を置く大学の学科で小学校の教職課程を設置可能に。これによって、例えば中学校免許状の数学の教職課程を有する情報学部数理情報学科でも小学校教諭免許状の教職課程の開設が可能となる。

 秋に教職課程認定基準を改正。6年3月に申請の受付を開始する予定。6年度に審査を行い7年度から開始する。

(解説 2023-10-02付)

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