【解説】高校の遠隔教育 要件緩和
(解説 2023-10-31付)

 文部科学省は不登校生徒の学習機会を確保するため、6年度から全日制・定時制高校の遠隔教育の要件を緩和する。同時双方向型の遠隔授業のほか、これまで不登校特例校(学びの多様化学校)の指定を受けることで活用できた添削指導、面接指導、試験などの通信教育を合計36単位を上限として受講可能とする。

 近年不登校の児童生徒数は大幅に増加し、4年度は小中高で約36万人と過去最多を記録。このうち高校は6万575人と前年度から18・8%増加し、病気で30日以上登校しなかった生徒数も3万976人と35・4%増加した。

 一方、私立を中心として通信制課程に在籍する生徒数は増加傾向にあり、多様な背景を有する生徒の受け皿になっている状況に。文科省は1人1台端末環境の整備が進む中、原籍校での学びを継続して多様な学びを実現するため、全日制・定時制高校における遠隔授業の要件緩和を図る。

 不登校生徒に対する遠隔授業・遠隔教育による修得単位数は36単位まで。疾病による療養、障がいのため長期間学校を欠席する生徒に対する通信教育の要件も緩和し、現行の同時双方向型による遠隔授業と同様、単位数の制限なく実施が可能となる。

 現在、省令案を改正するパブリックコメントを11月24日まで実施しており、6年4月からの施行を予定。「授業時数の3分の2以上の出席」など多くの学校が慣例として認められている単位認定の際の出席要件を生徒が満たせなかった場合でも、学校が個々の実情に応じて柔軟な履修・修得を認める運用を図る。

 文科省は今後、学びの多様化学校の設置促進に向けた各種施策を進めるほか、教育支援センターの機能強化、校内教育支援センターの設置など不登校対策の強化を図っていく。

(解説 2023-10-31付)

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