【解説】学力調査官による分析と考察
(解説 2023-11-08付)

 本年度調査報告書では、教科ごとの授業改善について、元国立教育政策研究所学力調査官4人による分析と考察を掲載している。国語、算数・数学、英語の3教科のほか、本年度新たに質問紙調査の分析も記載。授業改善に向けた具体的な学習活動や指導上のポイントなどを示している。

 国語科では、文章を読んで、中心となる語や文を見付けたり要旨を把握したりすることについて「小・中学校ともに一部の設問で改善の傾向が見られる」と分析。今後も、児童生徒がわくわくする言語活動を展開し「読むこと」の指導をさらに充実させるとともに、自分が考えたこと・感じたことを他の人に話したり書いたりして伝える学習を重視し、あいまいな表現の仕方を見逃さない学習を目指して確実に指導するよう助言している。

 算数・数学科では、授業において「数学的な見方・考え方を働かせるとよいか」について検討し、授業で使用する教材や発問などを考えて授業を行う必要性を強調。単に話し合わせるのではなく、数学的に表現することを促す大切さや、数学的に表現する力を高めることができるよう対話の場面を設定しながら支援する重要性を示している。

 英語(聞くこと、読むこと、書くこと)では、単元末に期待する生徒の姿に一歩一歩近づく指導と評価を計画する必要性を指摘。また、言語活動を推進するため、学習者用デジタル教科書を効果的に活用するよう呼びかけている。

 質問紙調査では、ICT機器を手段として効果的に活用する必要性を解説。「ICT機器の持ち帰り」を目的とするのではなく、学習の個性化を図った上で、児童生徒が自分の興味・関心に基づく異なる目標の達成のために、家庭でICT機器を効果的に利用するよう求めている。

(解説 2023-11-08付)

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