【解説】法務相談「保護者対応」最多
(解説 2023-11-13付)

 スクールロイヤーによる相談体制を構築している都道府県は82・9%、指定都市は80・0%、市町村は11・3%であることが、文部科学省が9日発表した教育行政に係る法務相談体制の整備等に関する調査で分かった。法務相談の案件は「保護者等からの過剰な苦情、不当な要求」が最も多い。

 調査時期はことし7月。4年度間または5年3月31日の状況を調べた。

 法務相談体制を整備した都道府県のうち、市区町村教育委員会も活用できる制度としていたのは28道府県だった。

 スクールロイヤー未配置の市町村でも88・5%が自治体の顧問弁護士に相談できる体制を整備している。スクールロイヤーの新規配置を検討している市町村は6・3%で、このうち4割が5年度中、6割が6年度以降の配置を計画している。

 配置を検討していない理由は「自治体の法務全般に関与する顧問弁護士で対応可能」「予算確保が困難」「相談できる弁護士の確保が困難」「都道府県による相談体制の活用で対応可能」などがあった。

 相談案件は都道府県・市町村いずれも「保護者等からの過剰な苦情、不当な要求」「いじめに係る対応」が最も多く、このほか「学校事故」「触法・非行・暴力等の問題行動」「教職員への不祥事」「不登校児童生徒」などと続く。

 スクールロイヤーを確保する方法は、都道府県・指定都市では「都道府県弁護士会に依頼」、市町村では「伝手で個人に依頼」が最も多い。

 相談手続きの簡素化や学校管理職向け研修の開催など、学校が相談しやすい工夫を講じている自治体も多く、学校訪問などで管理職とスクールロイヤーの顔合わせ場面を設定したり、弁護士との連携を図る指導主事研修会を開催する動きも見られた。

(解説 2023-11-13付)

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