病気療養児の授業配信進む

（解説 2023-10-25付）

　病気療養児に対する同時双方向型の授業配信の実施率が５年前に比べて大幅に上昇していることが、文部科学省がまとめた実態調査で明らかになった。

　調査は、病院や自宅で療養中の児童生徒の実態を把握し、今後の施策に役立てるもの。平成３０年度以来、５年ぶりに実施した。

　４年度中に学校に在籍した病気療養児数は９１６５人。前回調査時と比べ、１１７１人増加した。内訳は小中高校６５４４人、特別支援学校２６２１人。

　病気療養児の主傷病名を学校別にみると、小学校は「悪性新生物」が最多で、中高は「心身症」「精神疾患」が多い。特別支援学校は、小学部で重症心身障がい、精神疾患などが多く、中学部・高等部で重症心身障がいに次いで心身症、精神疾患が多かった。

　入院や療養のため学校を欠席した日数は平均６７・７日。療養などで欠席していた際の療養場所は「在宅」または「病院と在宅両方」と回答した割合が小・中学校で５７％、高校で７３％と過半数を超えた。

　病気療養児に対する同時双方向型の授業配信を実施した割合は、小２７％、中１７％、高２６％。いずれも実施率が大幅に上昇し、全学校種合計では２２・１ポイント増の２４％となった。

　同時双方向型の授業配信を活用した場面は、全体で「教科・科目を限定して実施した」「特別活動で実施した」が多かった。

　配信の活用頻度は、小中で「週に１日程度」、活用時間は「１日１時間以内」が最多。高で「週に５日程度」、時間は「１日４時間以内」が最も多かった。

　配信を実施していない理由は、各校種とも「本人の体調や治療の状況」が最多。小・中学校では「児童生徒や保護者の希望」、高校では「遠隔授業に対する校内規定が整備されていない」が続いた。

(解説 2023-10-25付)