道書道教育連盟 研究帯広大会 手書きの良さを体感 帯広第二中 動画もとに工夫
(関係団体 2023-11-01付)

書写書道教育研究大会
書写書道教育研究大会

 【帯広発】道書道教育連盟(佐々木雅哉会長)は10月27日、十勝管内各所で第75回道書写書道教育研究大会帯広大会を開催した。小・中学校、高校の各校種で公開授業および分科会を実施。帯広市立帯広第二中学校の公開授業では、生徒たちが1人1台端末を活用して練習時の動画を撮影し合い、筆脈や強弱を自主的に意識して練習を重ねる授業が展開された。

 主題「手書きのよさを体感し、身近なものにする書写書道教育」のもと、小学校「書くって楽しい!」、中学校「行書って楽しい!」、高校「深発見、書の魅力」と各校種の課題を設定。帯広市立緑丘小学校、帯広第二中、池田高校の3校で公開授業を実施した。

 帯広第二中では、2年生国語科「読みやすく速く書くための行書」(片岡勇也教諭、生徒数30人)を公開。2時間扱いの2時間目で「運筆を意識して“紅花”の筆順が変化する部分を行書で書くことができる」を目標に設定した。

 導入時、線の太さや運筆の速さ、リズムの変化を意識しながらウオーミングアップ。「筆を立てるように意識して」という片岡教諭の呼びかけに応じて、波線などを練習した。

 前時の振り返りでは「紅花」の楷書と行書で異なる点を復習した。行書では「紅」の糸へん、「花」の草かんむりの筆順が変化することを確認。片岡教諭は「筆脈(穂先の動き方)」「強弱(筆圧のかけ方)」の2点をポイントに挙げ、書き方動画をモニターに映した。

 また、生徒たちはペアになり、1人1台端末を活用して、前時に互いに撮影した練習時の動画を視聴。ワークシート上に運筆を矢印で示したり、文字の大きさや形を図形として捉えたりしながら、各自が書く際に意識したい部分をまとめた。

 考察をもとに個人練習を繰り返し、ペアで交流する時間を設定した。良いところや改善点を話し合い、再度練習する際は端末で互いに動画を撮影。動画と共に記録用の写真を撮り、グーグル・クラスルームに提出した。

 公開授業後、小学校・高校は緑丘小、中学校は帯広第二中で分科会を開いた。

 全体会は緑丘小を会場に開かれた。

 佐々木会長は開会に当たり、急速な情報化・グローバル化が進む社会で「手書きの機会が目に見えて減少していく中で、デジタルとの共存やすみ分けができるように」と期待。「手書きの良さや面白さ、身近なものとしていくための方策に焦点を当て、普遍的なものをさらに積み上げつつ具体像をつくり上げていく大会に」と呼びかけた。

 大会運営実行委員会の伊賀真美委員長は「異なる校種で一つの目標に向かっていけることも書写書道教育の魅力の一つ」と強調。日本の伝統文化・芸術である書道を大切にしながら、新たな変化を取り入れる授業を展開することで「子どもたちの心を伸び伸びと開放し、自分を表現する楽しさにつながっていくと信じている」と伝えた。

 来賓を代表して十勝教育局の新山知邦局長が登壇。書写書道教育において育成される資質・能力の重要性に触れ「全校種において運筆をクローズアップし、育成すべき資質・能力を見据えながら、手書きの持つ力や良さを再確認し、いかに身近なものにできるか、専門性を高められていることは大変意義深い」と述べた。

 このあと、全体提言、分科会報告を経て大会を終了した。

(関係団体 2023-11-01付)

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