北数教 旭川で第78回研究大会 対面開催で知見を共有(関係団体 2023-11-02付)
北数教第78回研究上川・旭川大会
【旭川発】北海道算数数学教育会(北数教、佐々祐之会長)は10月26日から3日間、旭川市内の大雪クリスタルホールや各小・中学校および高校などを会場に第78回道算数数学教育研究大会上川・旭川大会を開催した。4年ぶりの対面開催で、道内各地から530人が参加。公開授業や分科会を通して最新の知見を共有し、悩みや疑問を気軽に話し合いながら意欲的に日々の指導・研究に打ち込める環境の醸成を目指した。
研究主題は「未来社会を切り拓く力を育む算数・数学教育の探究~主体的・対話的で深い学びの実践を通して」。部会ごとの主題は小学校が「未来を拓く力をはぐくむ算数教育~主体的・対話的に学び、数学的な見方・考え方を高める問題解決学習の創造」、中学校が「学びをつなげる力を育む数学教育の探究~数学的活動のさらなる充実を目指した授業デザインの実践研究」、高校が「社会に活きる数学教育の理論的・実践的研究~主体的・対話的で深い学びの視点に立った授業を目指して」。
初日は、旭川西高校で高校部会を開催。同校の3教諭が授業を公開したほか、札幌国際大学の平田嘉宏教授が「数学教育への高校の外側からのアプローチ」と題して講義し、大学の数学教育におけるICT活用事例などを紹介した。また、旭川西高以外の授業を動画で配信した。
2日目午前は、大雪クリスタルホールで開会式を挙行。4年ぶりに参加者が一堂に会し、対面形式での開催とした。
佐々会長は開会あいさつで、チーム内で対人リスクがなく、安全な場所であるとメンバー間で共有された状態を指す「心理的安全性」に言及。「学校の小規模化や教員の多忙化が進み、若手が相談できる環境が少なくなってきている。悩みや疑問を気軽に話せる環境があれば心理的安全性が保たれ、日々の仕事に向かう心の余裕ができる」と説いた。
その上で「研究大会を通して課題解決のヒントを見いだし、モチベーションを高める機会としてほしい」と呼びかけ、大会の成功に期待した。
運営委員長を務める千葉雅樹旭川市立広陵中学校長は、自らの教職経験を振り返った上で「北数教を通して多くの先生方と出会い、多くのことを学んだ。大会は人と人とのつながりをつくることができる素晴らしい機会。会同形式の良さを実感してほしい」と述べた。
来賓からは、岸本亮上川教育局長、野﨑幸宏旭川市教委教育長、中村光一日本数学教育学会副会長が登壇。
このうち中村副会長は「真面目にこつこつ努力することで結果が得られるのが算数・数学で、学力の地域差が最も少ない科目でもある。大会で発信される様々な知見が確かに共有されることを願う」と祈念した。
開会式を終え、小学校部会と中学校部会では講習会を開催。小学校部会では道教育大学旭川校の谷地元直樹教授が「問題解決の授業における教師の役割~学びを深める授業づくりの視点」、中学校部会では道教育大釧路校の大滝孝治講師が「勉強から探究へ~新しい学校パラダイム」と題し、最新の研究成果や数学教育の動向などを紹介した。
午後からは、小学校4校、中学校1校で算数および数学の授業を公開。高校部会は旭川市ときわ市民ホールを会場に分科会を開き、ICT活用や大学入試などをテーマに議論を交わした。
最終日は、小学校部会が旭川市立神楽小学校、中学校部会が旭川市立神楽中学校を会場に分科会を開催。学習指導法や問題解決・課題学習、教材などの領域別に意見を交換し、最新の知見を共有した。
高校部会は2日目で全日程を終了した。
(関係団体 2023-11-02付)
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