総合経済対策が閣議決定　端末更新へ新基金創設　自治体支援を５年間継続

（国 2023-11-06付）

　政府は２日、新たな総合経済対策を閣議決定した。１人１台端末の計画的な更新を行う基金を都道府県に設置し、５年間自治体を支援する方針を明記。端末を活用して心身の状況を把握する「心の健康観察」など不登校対策を強化するほか、教員人材の確保や子どもの性被害防止の施策に取り組む。対策をもとに補正予算案を編成し、月内の成立を目指す。

　端末更新の支援対象は日本人学校を含めた義務教育段階の国公私立学校とし、予備機を含めた計画的な更新を進める。校務支援システムと併せ、５年末までに都道府県を中心とした統一・共同調達の仕組みを検討。ＧＩＧＡスクール構想第１期で整備された多くの端末の更新が終了する８年度に活用状況を検証した上で、第３期の更新の在り方を検討する方針を明らかにした。

　高校ではデジタル人材育成に向けたＤＸを加速化し、高度なプログラミング、デジタルものづくり教育、文理横断的な探究学習を実施する拠点を全国的に整備する。

　不登校対策では心身の変化への早期対処を図る「心の健康観察」の導入を支援するほか、スクールカウンセラーの配置の充実、校内教育支援センター（スペシャルサポートルーム）の設置を促進する。

　教員人材の確保に向けては大学や民間企業などと連携して外部人材の入職ルートを創出する新規事業に着手。教職志望者の発掘、事前研修、講師登録希望者の一体的なシステムの構築を図る。

　中国側の輸入停止措置によって在庫の滞留等が生じているホタテ貝をはじめ、水産物の消費拡大に向けた支援を計画。学校給食、こども食堂、社員食堂に食材を提供するための食材調達費、加工費、運送費などを支援する。

　教育・保育における性被害防止に向けては、先進事例の周知とともにガイドラインの作成を支援。保育所等におけるパーティションやカメラなどの設置支援を開始する方針を示した。

(国 2023-11-06付)