総合経済対策案の概要判明　不登校・いじめ対策を強化　端末共同調達　年内検討へ

（国 2023-10-25付）

　政府が近くまとめる新たな総合経済対策案の概要が明らかになった。端末のアプリを活用して児童生徒の心身の変化の早期発見・支援を行う「心の健康観察」の導入など、６年度に予定していた不登校・いじめ対策を前倒しで開始。小・中学校における１人１台端末の更新や校務システムに関する統一・共同調達について、５年末までに検討を進める。１１月上旬に閣議決定し、補正予算案を臨時国会に提出する。

　不登校・いじめ対応は文部科学省が１７日に発表した緊急対策パッケージに基づき施策を推進。子どもが落ち着いて過ごせる校内教育支援センター（スペシャルサポートルーム）の設置促進、スクールカウンセラーの配置充実などを進める。

　ＩＣＴ関連の施策をみると、学習履歴などの教育データの利活用や次世代の校務デジタル化の実証事業を推進するほか、小規模自治体の調達支援、整備後の広域利用を効果的・効率的に進めるため、都道府県を中心とした端末・校務システムに関する統一・共同調達について５年末までに検討を進める。

　教員の確保に向け、教職志望者の発掘、事前研修、講師登録希望者のシステムを一体的に構築し、新たな外部人材の入職ルートを創出する新規事業に着手する。

　こども家庭庁関連では、こども誰でも通園制度（仮称）の本格実施を見据えた試行的事業のほか、各自治体における「こどもの居場所づくりコーディネーター」の採用・育成の支援を開始。教育・保育業界における性被害防止に向けたガイドラインの作成や、保育所等におけるパーティション・カメラの設置支援にも着手する。

　児童虐待の防止に向けて、自治体による宅食等アウトリーチ型の支援の強化や、６年度から設置が努力義務となるこども家庭センターにおける職員配置、専門人材への支援を開始。部活動の地域移行の自治体支援、教育・福祉のデータを分野を超えて連携させる「こどもデータ連携」実証事業の前倒しも見込んでいる。

(国 2023-10-25付)