道経産局 半導体産業魅力発信事業　先端技術への関心高めて　千歳向陽台中生が２社訪問

（国 2023-11-02付）

高度な技術に驚く生徒たち

　道経済産業局は１０月３０日、半導体産業魅力発信事業の初弾として、中学生向け工場見学会を開いた。千歳市立向陽台中学校（久保田豊校長）の１年生５９人が千歳市内の半導体関連企業２社を訪問。精密電子機器の用途や製造過程に関する説明を受けたあと、工場での作業の様子を見学。高度な技術力の魅力を肌で感じた。

　先端半導体の国産化に向けて、国内大手企業８社の支援を受けて設立したＲａｐｉｄｕｓ㈱（東京）はことし２月、千歳市内に新工場建設を発表した。これを受けて、道経済産業局は６月、道内の産業界、教育機関、行政機関等と連携し、道半導体人材育成等推進協議会を設置。半導体関連産業の認知度向上および人材育成を目的に、小中高生を対象とした魅力発信事業を企画した。

　第１弾に当たる中学生向け工場見学会には、向陽台中の１年生５９人が参加。千歳市内で半導体関連製品を製造するミツミ電機㈱千歳事業所と、パナソニックインダストリー㈱千歳拠点の２社を訪問した。

　うちパナソニックインダストリーでは、静電気対策で使用されるチップ形積層バリスタの製造過程を見学。酸化ニッケルや酸化コバルトなどの粒子を混合、シート成形し、焼成、外部電極を塗布、焼き付け、メッキ加工する一連の作業を見て回った。生徒たちは、１・６×０・８㍉、０・６×０・３㍉の部品が出来上がる様子を興味深く見つめた。

　見学した佐藤遼太さん（１年）は「粒子をきれいに混ぜる作業がすごいと思った。見学する前よりも、半導体産業への興味が強くなった」と驚きの表情を浮かべた。

　久保田校長は「地元の企業だが、見学できる機会はめったにない。日本の産業を支える技術に興味を深めてもらえれば」と期待した。

　道経済産業局地域経済部製造・情報産業課の佐々木信之課長は「ラピダス社の進出によって、半導体産業の集積が予想される。理工系人材の育成に向けて、今後も若年層の段階から興味を持ってもらえる取組を進めたい」と話した。

(国 2023-11-02付)