補正予算案編成へ文科省　端末更新等に２８００億　デジタル人材育成　抜本強化

（国 2023-11-09付）

　文部科学省は、小・中学校における端末更新の基金創設と高校段階におけるデジタル人材育成の拠点「ＤＸスクール」の整備に約２８００億円を試算し、今月下旬にも国会に上程する補正予算案に盛り込むことを検討している。このほか学校の施設整備、部活動の地域移行、不登校支援など当面の教育諸課題に対応する経費を盛り込み、科学技術やデジタル庁関係を含めた関係予算の総額は１兆２０００億円を上回ることが見込まれる。

　端末の更新は予備機や入出力支援装置も含めて５ヵ年をかけて計画的に進める。デジタル人材育成の拠点「ＤＸスクール」では、ハイスペックパソコンなどデジタル設備を備え、高度なプログラミングや文理横断的な探究学習を教育課程の内外で実施する計画だ。

　教育のＤＸではこのほか、文科省が開発したＣＢＴシステム「メクビット」の機能拡充を行うほか、全国学力・学習状況調査のＣＢＴ化や教員免許管理システムの個人番号活用に向けた検討についても開始する予定。

　部活動の地域移行に向けた所要の経費も計上する予定で、地域のスポーツ・文化芸術環境の一体的な整備に向けた「重点地域」の指定を開始し、政策課題への対応を早急に進める。

　ペーパーティーチャーをはじめとする教員人材の確保に向けた新規事業を開始。教員任命権者を持つ都道府県・政令指定都市などに対し、入職のための事前研修や学校現場とのマッチングなどを支援する。

　学校・社会体育施設の整備には公立学校で約１５００億円、私立学校で約１００億円を試算。空調設置、老朽化対策、耐震対策、防災機能強化、トイレの洋式化などを推進する計画。

　不登校・いじめ対策では、校内教育支援センター（スペシャルサポートルーム）の設置促進、教育支援センターにおけるＩＣＴ環境整備、ＳＣやＳＳＷの配置充実に取り組むほか、端末のアプリを活用して心身の状況を把握する「心の健康観察」の全国的な導入を進める。

(国 2023-11-09付)