田中学園立命館慶祥小 初の実践発表会 気付き促しICT活用 国語、算数、英語3授業公開
(札幌市 2023-11-15付)

立命館慶祥小初の公開研
5年生算数科の授業。児童たちは対話しながらICT活用技術を習得した

 学校法人田中学園立命館慶祥小学校(吉田恒校長)は10日、初の授業公開「Microsoft Showcase School実践発表会」を開催した。国語科、算数科、英語科の3授業を公開。建学の精神「学ぶを、しあわせに。」のもと、児童たちの興味・関心や気付きを促しながら、ICTの積極的な活用を通してスキル習得・定着を目指す学習を展開した。

 同校は令和4年度に開校した私立小学校。建学の精神に基づき、世界に挑戦する12歳の育成に向けて、児童たちの挑戦を応援する学校づくりを進めている。

 道内で初めて、マイクロソフト社の「Showcase School」指定を受け、テクノロジーや21世紀型スキルの考え方をもとにした学校改革を推進。「学校体制」「教育課程」「環境管理」「建学の精神」にそれぞれ①マインド②コンテンツ③ICT活用―を位置付け、子ども中心の学び、多様性や公平性、受容性のかん養、デジタルスキルの習得などを目指している。

 同校初の授業公開となったこの日は、1年生国語科、2年生英語科、5年生算数科の3授業を披露。いずれの時間も、冒頭の1分間で「マインドフルネス」の考え方を実践。静かな音楽で呼吸を落ち着かせ、授業に臨む集中力を高める取組を導入している。

 うち5年1組(谷竜太教諭、児童数16人)では、算数科「円グラフと帯グラフ」の授業を展開。本時は7時間扱いの4時間目。各グラフの特徴や使い分けを考え、適切なグラフを選ぶことができることを目標に据えた。

 谷教諭は冒頭、年齢別の人口数を示した棒グラフを1秒ずつ映像で提示。児童たちは、2000年と2020年における21~40歳の人口が増加している情報を少しずつ確認した一方で、谷教諭は「減っていることを伝えたい」と主張。児童たちは「どうして?グラフでは増えているのに」などと発言しながら意見を交わす中で、数ではなく「割合」を示す必要があることに気付いた。

 その上で、谷教諭は「棒グラフでは(減っていることを示したいという)主張が伝えられなかったね。では、どのようなグラフであれば伝えることができるかな」と問いかけた。児童たちは、円グラフや帯グラフなど、前時や社会科などで学習した事項が活用できることを確認した。

 谷教諭は、適用題「札幌市で家庭ごみの割合が増えている」を表すために必要なグラフをグループで考察させ「一人ひとりグラフで表してみよう」と呼びかけた。その際、グループ内一人ひとりが異なるグラフで表現するよう工夫を促した。

 呼びかけから2分後、半数の児童がエクセルを活用し、円グラフや帯グラフ、折れ線グラフなどを作成。児童たちは、グループでグラフを見せ合いながら「急激に増えているように見せるにはどうすればいいかな」「差を大きく見せるために、もう一回作り直してみよう」などと意見を交わしたり、アドバイスし合ったりした。

 このあと、児童たちが互いのグラフを見せ合って交流。他者の良い部分を参考に、自身のグラフを修正したあと、グラフで表現する際の工夫をノートに記載するとともに、出来上がったグラフをチームスで提出した。

 授業後には、日本マイクロソフト社の担当者が「Microsoft Showcase School」における特色を説明した。

(札幌市 2023-11-15付)

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