道教委 地学協働活動研究大会 CLASSプロジェクト 3年間の成果共有 探究活動や商品開発など
(道・道教委 2023-11-20付)

 道教委は16日、オンラインで全道地学協働活動研究大会を開催した。本年度で事業最終年度を迎える道CLASSプロジェクトの一環で実施し、事業推進校・連携校が進めた特色ある地学協働の取組を交流。地域と協働した探究活動や商品開発、地域課題解決に向けた高大連携の取組など、3年間の成果・課題を共有したほか、今後の取組の方向性などについてトークセッションを行った。

 道教委は、地域と学校との連携・協働体制を整備し、活動を通して、まち・ひと・しごとと学びのつながりづくりを図ることをねらいに3年度から道CLASSプロジェクトを実施。本年度で事業最終年度を迎える。これまで、社会教育課をメインに高校教育課などと横断的に連携・協働し、地域創生の実現を目指して取り組んできた。

 推進校には、当別高校、白老東高校、上富良野高校、帯広三条高校の4校、連携校として、夕張高校、鵡川高校、豊富高校、本別高校の4校を指定。各校に地域コーディネーターを配置し、それぞれ高校と自治体、産業界をつないで地域課題探究型のキャリア教育を推進してきた。

 開会に当たり、倉本博史教育長があいさつ。「未来を担う子どもたちの社会で生きる力を育み、成長を支えるためにはコミュニティ・スクールと地域学校協働活動が一体となって学校を核とした地域づくりを進めることが重要」と強調。その上で、大会を通して、事業の成果を全道に発信し、より多くの人が取組について理解し、地域の未来を担う人材の育成に向け、地学協働に参画する機運が広く醸成されることに期待した。

 引き続き、社会教育課の五十嵐秀介課長補佐が同プロジェクトを企画した際の構想などについて説明したあと、推進校部会と連携校部会のブレイクアウトルームに分かれて事例発表。うち推進校部会では、当別高の古谷知之教諭、白老東高の塚原康隆教頭、志田健教諭、佐藤雄大コーディネーター、上富良野高の美土路健教頭、帯広三条高の合浦英則校長が活動成果を発表した。

 当別高では、地域と学校をつなぐ地域コーディネーターを確保・育成するなど、学校と地域の連携・協働する体制を構築。生徒が自らの企画をコンソーシアム会議でプレゼンテーションし、協力を地域に求める場「粘議場(ネバギバ)」の企画などを進めた。

 白老東高では、名古屋外国語大学と連携し、町の課題、地域の歴史・観光等を学ぶ地学協働活動を推進。地域創生における高校の果たす役割を明確にするとともに、コンソーシアム会議の構築に係る研究実践などを行った。

 上富良野高では、十勝岳ジオパークのフィールド調査や地域課題解決に向けた探究活動、地域課題に対する提言発表などを展開。教員が異動しても活動を継続するために、活動内容をマニュアル化したほか、活動内容の評価・改善方法を工夫した。

 帯広三条高では、学びに向かう自主性と主体的な進路選択・実現を図る「都市型探究プログラム」の構築に向け、地域人材と協働した探究活動を推進。おからハンバーグの商品開発や地域企業とのコラボ行事の企画・運営などに取り組んだ。

 事例発表後には、各校の校長や担当教諭、コーディネーターによるトークセッションを実施。事業の成果・課題を共有したほか、今後の方向性について意見を交わした。

(道・道教委 2023-11-20付)

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