【解説】暑さ対策 加速化の1年に
(解説 2023-12-11付)

 今夏、道内では熱中症警戒アラートが全域に発表される異例の事態となり、ソフト・ハードの両面で対策が加速化する1年となった。

 ソフト面の大きな変化を振り返ると「長期休業期間の扱い」「熱中症の予防対策」「警戒アラート発表時の対応」の3点に集約される。11月22日、道教委は道立学校の長期休業日に関する管理規則を改正。夏季・冬季を合わせた休業期間の総日数を6日間延長して56日間に変更するとともに、夏・冬で定めていた「25日以内」の規定を削除した。同日には熱中症の危機管理マニュアルを改訂し熱中症警戒アラート発表時における学校の対応例を明記。マニュアル未策定の学校に早急な整備を求めた。

 今後、道内各地で夏休みを延長する自治体が広がることが予想されるが、共働き世帯が増加している中、子どもの居場所の確保も大きな課題に。鈴木直道知事は11月24日の記者会見で、夏休みが延長されても家族だんらんの時間が確保できるよう経済団体に休暇を取得しやすい職場環境の整備を要請する考えを示し、子ども食堂や放課後児童クラブなど保健・福祉関係団体にも要請するとした。

 家庭・地域への理解・協力も不可欠だ。道教委は今後、道立学校管理規則の改正や熱中症の危機管理マニュアルの改訂の趣旨をまとめた啓発資料を作成し、家庭に配布する予定だ。

 道教委は暑さ指数(WBGT)31度以上で体育活動や部活動を「原則中止」とする取り扱いを徹底する考えを示しており、各種会議や研修の場で関係者に周知する。一方、中体連や高体連からは「大会等の日程や会場など運営の事情から中止・延期が困難な場合がある」との懸念も示されおり、関係団体との協議の場で次年度に向けた検討を進めるとしている。

(解説 2023-12-11付)

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