【解説】持ち授業減少へ法改正を(解説 2023-12-18付)
中教審の質の高い教師の確保特別部会は14日に第7回会議を開き、教職員の配置の在り方について議論した。委員からは、担当する授業数が特に多い小学校の教員の負担軽減を図るため、義務教育標準法で定める教員定数の係数(乗ずる数)を見直すとともに、持ち授業時間の上限を定める必要性が指摘された。
4年度教員勤務実態調査によると、週当たりの担当授業数が21コマ以上の教員の割合は小学校が84・7%、中学校が22・4%、高校が2・1%。教科指導以外の業務も多く、休憩時間の十分な確保や感染症など災害への対応が困難な状態が恒常化している。
文部科学省はこれまで、小学校高学年における教科担任制の強化や小学校の35人学級の計画的な整備によって教職員定数の改善を進めてきた。多方、教科担任制は年ごとの加配定数であるため、財務省との予算折衝に応じて増減する可能性があり、自治体が計画的に正規教員を増員することが難しいなどの課題がある。
義務教育標準法では教員の配置人数を学校の種類・規模に応じた「学級数×係数(乗ずる数)」に基づき算定しているが、委員は法律が制定された昭和33年の当時からかけ離れている実態を指摘し、学校5日制に対応する形で週当たり20コマとなるよう係数の改善を求めた。また、指導体制の充実を図るため「1学級当たり最大8人」とする特別支援学級の標準の改善を訴えた。
会議ではこのほか、大量退職・大量採用に伴い増加する若手職員の支援体制の構築、増加する不登校児童生徒に対応する教職員配置の在り方、養護教諭・栄養教諭の定数算定基準などが論点に。山形県教委は、新採用教員支援員の配置や特定教科の授業担当と学級副担任を兼務させる新採用教員の支援事例を紹介した。
(解説 2023-12-18付)
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