【解説】いじめ調査指針 整理・統合へ
(解説 2023-12-13付)

 文部科学省のいじめ防止対策協議会は11日の第3回会議でいじめ重大事態調査に関する指針の改定に向けた議論を開始した。「いじめ防止等のための基本的な方針」など4つの指針を整理・統合するほか、重大事態調査時における学校設置者・学校の基本的姿勢などを新たな指針に盛り込む方針を固めた。

 いじめ重大事態の発生件数は増加傾向にあり、4年度は923件と過去最多に。いじめ重大事態の調査に当たっては「調査の目的・進め方について学校・保護者・調査委員のコンセンサスがない」「再発防止策の取組が弱い」など様々な課題が指摘されており、国は本年度からいじめ重大事態調査報告書の分析を開始するとともに、円滑・適切な調査を行うため指針等の見直しに向けた検討に着手した。

 会議の論点は①重大事態調査の在り方②調査組織の在り方と調査の進め方③重大事態調査の標準的な調査事項④調査結果の説明・公表、再調査―の4点。

 この日は①と②を審議し「いじめ防止等のための基本的な方針」「不登校重大事態に関する調査の指針」「子供の自殺が起きた時の背景調査の指針」「いじめ重大事態調査に関するガイドライン」の4つの指針を整理・統合することに合意した。また、重大事態調査時における学校設置者・学校の基本的姿勢、公平性・中立性が確保された調査組織の構成、被害児童生徒・保護者に対する説明などを議論した。

 委員から、子どもの意見表明の機会や施策への反映などこども基本法で示す理念に依拠していじめ重大事態調査の方向性を検討する必要があると指摘。「保護者を対象に説明・意見聴取する際の個人情報保護の取り扱いを記載すべき」「初動対応や事前認知が課題。学校の基本姿勢と重大事態調査の在り方が極めて重要になる」などの意見があった。

(解説 2023-12-13付)

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