【解説】学校生活と抑うつの関連(解説 2023-12-12付)
友人や教師との人間関係が良い小中学生ほど抑うつ症状の割合が低い傾向にあることが、国立生育医療研究センターの調査で分かった。学校生活の質・充実度の低さが抑うつ症状の要因となっているほか、社会経済的に不利な家庭環境など別の要因が抑うつ症状を引き起こし、同時に学校生活に影響を与えている可能性があるという。
小中学生の抑うつの情報を含む最大規模の調査から、抑うつ症状と学校生活の関連性を調査するために実施。東京都、広島県、東京都内の3市区が実施した子どもの生活実態調査を統合したデータを使用し、小学校5年生1万6350人と中学校2年生1万4927人を対象に行った。
学校生活の状況を尋ねた結果、学校生活と抑うつ症状には関連性がみられ「学校の友達と会うことがとても楽しみ」と回答した小学生の抑うつ群の割合は9%、中学生は14%だったのに対し「楽しみ」と回答した層では小学生24%、中学生34%、「少し楽しみ」では小学生40%、中学生59%、「楽しみではない」では小学生63%、中学生75%となった。
先生との関係も同様の傾向があり、先生と会うことが「とても楽しみ」と回答した小学生の抑うつ群は8%、中学生は13%だったのに対し「楽しみ」では小学生11%、中学生15%、「少し楽しみ」では小学生18%、中学生24%、「楽しみではない」では小学生29%、中学生36%だった。
抑うつ群の割合は、小学校5年生全体で14%、中学2年生では23%と高い比率になったが、様々な自治体のデータを統合して算出しているため、解釈に注意が必要としている。
同センターは、児童生徒の抑うつ症状と学校生活との関連を検討することが急務とし、養護教諭など他職種が関与する体制づくりの必要性を指摘する。
(解説 2023-12-12付)
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