【解説】中核となる学校教育の役割
(解説 2023-12-14付)

 中教審特別部会の義務教育の在り方ワーキンググループは11日、議論の中間まとめを作成した。義務教育の目的や歴史的背景を踏まえ、学校の在り方に関する基本的考えを整理したもの。中核を担う学校の重要性を強調し、一人ひとりの良さを「徹底的に伸ばす」学校の実現、創意工夫を凝らした教育活動など義務教育の方向性を示した。

 目指す姿として「義務教育の中核としての学校教育の役割」など6点を整理。民間団体等で支援を受ける不登校児童生徒が増加する中、学校と学校以外の学びの場の「境界線」が揺れているため「多様な他者を尊重し、社会の分断を防ぎ、平等で公正な社会を形成する基盤としての学校こそが、引き続き義務教育の中核を担うべき」と強調した。

 知・徳・体をバランス良く育む日本型学校教育の強みとともに、過度の同調圧力や子どもの幸福度の低さなどの課題を提起。公教育としての共通性を担保し、多様性を包摂して個々の能力を伸張する学校教育の実現を掲げた。

 創意工夫を発揮できるよう、学校現場の裁量を高める必要があるとし、専門的見地から教科書・教材、教員免許・教員研修、ICT機器や学校施設の在り方の検討を深めつつ、次期学習指導要領改訂への検討を連動して進めるよう求めた。

 学校のオンラインの活用方策も整理。地域の実情に応じて柔軟な実施が可能となるよう、中学校を対象とする遠隔教育特例校制度を改正するほか、プログラミングや英語など外部専門人材の活用が期待される分野で遠隔授業を推進する。

 二地域居住やワーケーションの増加など生活スタイルの多様化に対応する方針を明記。区域外就学を活用して住所以外の市町村に一時的に居住する児童生徒を受け入れる自治体の課題・解消方策を把握する。

(解説 2023-12-14付)

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