日高地区校長会が小・中校長研修会 全員が経営参画意識を 学校マネジメントなど研鑚
(関係団体 2023-12-14付)

日高地区校長会日高管内小・中学校長研修会

 【苫小牧発】日高地区校長会(品田和輝会長)は11月下旬、新ひだか町公民館で日高管内小・中学校長研修会を開催した。会員39人が一堂に会し、学力向上・組織力向上に向けた校長のリーダーシップなどについて研鑚を積んだ。中では道教育大学旭川校学校臨床特任教授の吉田昌広氏が「学力向上を目指す学校マネジメント」と題し講演。「経営参画意識を高め、チームとして一人ひとりがマネージャーの意識を」などと訴えた。

 基本主題である「自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る日本人の育成を目指す学校教育の推進」の達成に向けて設定した研修計画に基づいた、研究実践の交流・検証を図るとともに、今後の方向性や具体的な方策を探るための研究協議などを通して、校長としての職能の向上を図るもの。

 開会式では、品田会長があいさつ。「様々な活動がコロナ禍前に戻りつつあるが、新たな学びの視点を失うことなく取組が進められてきたと思う」などと振り返った。

 その上で「会で設定した研究主題、研究の視点をきちんと踏まえれば課題解決に向かっていく。グループ協議は、課題解決に向け大変貴重な学びの場となると思う」「学校教育が大きく変わろうとしている中、日高の教育の今と未来を担っているという自覚を高めていただければ」などと呼びかけた。

 続いて、日高教育局の行徳義朗局長と日高管内教育委員会連絡協議会の川上松美会長が来賓として祝辞を述べた。

 行徳局長は「学校訪問で各小・中学校の授業改善が進んでいる様子や子どもたちの成長を見せていただいた」と感謝した上で「学校経営の目的を達成するためには、心理的安全性と高い同僚性という軸とともに、目標達成への意識が大切」と指摘。「いわゆる仲良し集団ではなく、目標達成という軸を加えることで、子どものために何が必要かをみんなで考えていける学校にしてほしい」と期待した。

 川上会長は「管理職の大幅交代期が終わり、今後は一層研修を深めていくことが管内教育の充実につながる」「知・徳・体の調和の取れた人格の育成が大切だが、情報化の進展によって他者との関わりが少なくなっている。心の豊かさが育てづらい時代では学級経営が大切になる。管内は若い先生が多いので、その良さや課題を踏まえた経営をしていただきたい」と求めた。

 このあと、道教育大旭川校の吉田特任教授が「学力向上を目指す学校マネジメント」と題し講演。また「“学力向上”の実現に向けた校長のリーダーシップ」「“組織力向上”の実現に向けた校長のリーダーシップ」をテーマに協議を行った。

 このうち吉田特任教授は「毎年継続して成長している学校は、ある先生だけが頑張っているのではなく、全員がやるんだというチーム学校のマネジメントができている」と指摘。

 「職員全員で学校マネジメントを理解しておくことが大切。経営参画意識を高め、チームとして一人ひとりがマネージャーの意識を持つこと」「経営方針提示のとき、教育課程だけではなくマネジメントの視点を加えてほしい。ねらいを明確化し、教職員・保護者・地域と理念を共有し、日常的な改善サイクルを確立することが大切」など、学校マネジメントの在り方について具体的に説明した。

(関係団体 2023-12-14付)

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