石狩管内公立小・中女性管理職会　次世代リーダー育成へ　中堅教諭対象に初の交流会

（関係団体 2023-12-21付）

女性管理職会ネクストアップワークショップ

　石狩管内公立小・中学校女性管理職会（設楽真奈美会長）は１８日、石狩教育研修センターで第１回ネクストアップ・ワークショップを開催した。管内小・中学校に務める中堅の女性教諭たちを対象とした次世代の女性リーダーを育成するための初の試み。現職の女性校長・教頭を交えた事例演習と意見交流を通じて、管理職に対する理解を深め、今後のキャリア選択の幅を広げる契機とした。

　この研修は、女性教諭としての資質・能力向上を図り、積極的に学校運営に参画できる人材を育成すること、人生設計の中に管理職を選択肢に持ちリーダー的役割を担う心構えを醸成することを目的としている。

　同会の重点課題「人材育成」の一環。複数の役員からの要望で実現に至った。

　今後、主任層を担うであろう２０代後半から４０代前半の女性教諭４０人が参加。

　開会に当たって、設楽会長があいさつ。管内全体で１９８人いる校長・教頭のうち女性管理職は２３人（１１・６％）であることを挙げ「現在、管理職の立場である私たちとのつながりを身近に感じていただきたい。グループで積極的に交流して」と話した。

　続いて、校内で起こり得るサンプル事例４つからグループごとに選択し演習。

　「保護者対話」の事例では、学級の大半が参加するＳＮＳ上に本人が許諾していない写真をアップしてばかにするいじめについて、保護者に連絡すると「なぜうちの子だけが悪者になるのか」と返答があった場合の対応が問われた。

　あるグループでは、女性校長の助言のもと「学校としてどう対応するか」という方針を定めて、いじめ対策委員会や生徒指導部への指示などの迅速な初期対応が求められると確認。その際は「感情を挟まずに事実を間違いなく伝えることが重要」とし、自分の身を守るために記録化を重ねて複数対応を徹底することを呼びかけた。

　授業中落ち着きのない児童生徒に対する「生徒指導」の事例と、説明中心の授業から対話中心の授業に移行させる「授業改革」の事例では共通して、共感と言葉選びを意識しながら時間をかけて信頼関係を築き「話し合いの風土を醸成しておくことが大切」と結論付けた。

　演習後、髙橋浩子事務局長が情報提供。教頭・副校長の時間外在校等時間データを示しながら、女性管理職の登用推進には「教頭の多忙化解消」「人事上の配慮」が必要と伝えた。また、管理職試験で受験資格要件が緩和されたことを取り上げ「自分の可能性を見捨てないで」と強調した。

　閉会式では、吉田かおり副会長があいさつ。具体的に意見を出し合う参加者の姿から「日頃から皆さんが教育活動の中核として参画していることを実感した。女性の活躍がうれしい」と話した。教え子に女性としてスキルアップするところを見せたいと管理職を志望したエピソードを踏まえ「管理職は全校の担任。ぜひ思い切って管理職試験を受けてみよう」と締めくくった。

(関係団体 2023-12-21付)